通訳案内士の気ままな生活

現役通訳ガイドのブログです。プライベートから気になる収入などの話まで!?包み隠さずお話します!

JGA臨時総会

2010-06-16 00:23:13 | 通訳案内士のあり方
昨日はJGAの臨時総会がありました。
現在観光庁が実施している通訳案内士のあり方検討会において
通訳案内士側の意見が取り入れられず、規制緩和の動きがあることに対し
危機感を持った会員の要望に応えるべく緊急総会となりました。
今後はJGA全体で法改正の動きを牽制していく事が決まりました。

観光庁が実施しようとしていることは
政府の掲げる外国人観光客3000万人に向けた受け入れ体制を作ることなのですが
受け入れ側の人的体制つくりの一環として通訳案内士法の規制緩和があります。
現行法の元では通訳案内士以外が外国語を用いて報酬を得て外国人を案内してはなりません。違反の罰則は50万円ですが取り締まり事例はありません。
基本的には日本の企業はこの法律に従い商売をしているのですが、
外国からのツアー特にアジア圏のツアーに関しては
取り締まりの前例が無いのをいいことに完全無視されています。

実態としては無報酬でガイドを請負い、
お土産屋の販売コミッション等で
収入を得ているようです。
ある意味、ガイド自体では報酬を得ていないので合法なのかもしれませんが。。。
そういったお土産は原価は安く、
利益が乗りやすいものでぼったくり商品もあるのです。

アジア言語のガイドさんたちはそういう相手と価格競争を強いられているのです。
その上で、仕事が回ってこない→生活ができない→試験合格者を増やしても稼動者が増えない。
という悪循環にはまっているのです。

通常であれば、違法ガイドやぼったくりツアーを取り締まり
その上で正規のガイド利用推進を試みるのが政府として正しい対応だと思いますが、
安価なガイドを利用できるように通訳案内士法を改悪して
誰でもガイドできてしまうようにしようと言うのが今回の規制緩和です。

ぼったくりなどを防ぐため、外国人旅行者の保護を元に作られた法律なのですが
今は個人旅行の時代なのであまり保護が必要がなく、時代遅れの法律と観光庁は言います。
ですが中国から大量に団体観光客が訪れていて
実際一番保護が必要な人たちが保護されずにぼったくられていて
国内の旅行市場も荒らされているという現状。

通訳案内士として職域を確保するというのはもちろんですが
日本の観光資源を守るため、安易な規制緩和は許すべきではありません。
国が認める観光ガイド制度と言うのは
どこの国でもあるものなのです。

この問題は通訳案内士以外の方々にも日本国民全体の問題として
考えていただければと思います。
観光箇所でよく「ガイドさん、○○を注意してください」などと言われます。
それは通訳案内士がついてるから言えることなのです。
海外からのルール無視のガイドはマナーも守りません。

改悪法案が国会に提出されれば、
色々な形で世の中にこの問題を訴えかけ
国民の皆さんの是非を問うことになるでしょう。
是非3000万という見かけだけの素晴らしい目標に踊らされること無く
国益、日本の観光ブランドを守った、
中身の伴った改革に
なっていくことを望みます。
みなさんも注目していてください。

英語で仕事ランキング

最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Fish-eatetさん (やすし)
2010-06-16 22:51:44
初めまして。

ガイドの皆さんは共通認識されている問題だと思いますよ。

どちらかといえば、ガイド以外の人にも問題を知っていただきたいです。
返信する
JGA 臨時総会 (fish-eatet)
2010-06-16 20:16:37
 通訳ガイドの気持ちが良く表現されています。実情を知るのに役立ちました。

 知人にJGAの理事をされている人がいます。なので、ここのサイトを紹介して頂けるよう依頼しておきました。
 
 Fish-eater
返信する

コメントを投稿