編みぐるみ劇場 『姐さん達、未知との遭遇』

バース「さて、今日はお散歩に行く前に、二匹にお話があるニャ。」

ワンコA「なんだろう、お話って・・・？」

ワンコB「夏だから怪談かな～？恐いお話は嫌だよぉ～。」

バース「怪談じゃないニャ。」

　　　　「あたしがお前達に名前を付けてあげるニャ。」

バース「お前は【信綱】ニャ。剣聖、上泉伊勢守信綱から付けてみたニャ。」

信綱「うわーい、強そうな名前をありがとう姐さんっ！」

ワンコB「ねーねー、僕は～？僕には何て名前を付けてくれるの？」

バース「【ジョージ】ニャ。屠竜の絵でも有名な聖ゲオルギオスから付けてみたニャ。」

ジョージ「えへへ～っ、何か格好いい☆」

バース「それじゃー、お散歩に行くとするニャ。」

信綱（ダダダ～ッ）「わーい。わーい。」

ジョージ（ててて～っ）「お兄ちゃん待ってよぉ～っ。」

バース「思いっ切り走り過ぎて、コケるニャよ。」

信綱「分かってるって！」

ジョージ（ふう、ふう）「お兄ちゃん早過ぎだよ～っ。」

バース「ジョージが疲れたみたいだし、何処か休める所を探すニャ。」

信綱「うんっ。」

ジョージ「僕疲れ過ぎちゃったから、ここでごろ寝でもいいけど～・・・。」

信綱「おっ！なんだあれ？ちょっと近くまで行ってみるか。」

ジョージ「お兄ちゃん、危ないかもよ～っ！」

信綱「お山の上の湖かな？でも、水が無いなぁ～？」

ジョージ「か、火口かもしれないよ。危ないよぉ～。」

（ゴゴゴゴゴ・・・）

ジョージ「キャンッ！」

信綱「ワフ、ワフッ！！」

バース「危ないから早く戻って来るニャッ！」

信綱＆ジョージ「揺れて動けないよぉ～っ。」

信綱＆ジョージ（ドスンッ）「うわぁ～っ！！」

？？？（ヒョコッ）「ふわぁ～っ。よく寝たぁ～。」

バース「ニャニャッ！ニャンか出て来たニャッ！！」

信綱＆ジョージ「(＠_＠;)　Ｑ～ッ。」

？？？「ふぁ～っ。寝過ぎて目ショボだぁ～。」

バース「お、お前は何者ニャッ！」

？？？「ん？オラか、【鯵嗚（あじお）】っちゅーもんだが。」

　　　　 「お魚の鯵（あじ）が驚いちゃう（嗚＝お）って名前だよ。」

バース「でかいドラ焼きみたいな猫だニャ～ッ！」

バース「プッ！ぶーおじさんやアッキーに似てるニャッ！」

鯵嗚「へへへ。実はオラ、あごまくらなんだな。」

　　　「就職先の黄子さんって猫のお家に行く途中なんよ。」

バース「ニャッ、黄子！？それはあたしの妹分さ。」

鯵嗚「おお～、そっかぁ～。それじゃあ黄子さんの所まで案内してくれるかぁ～？」

バース「了解したニャッ！」

鯵嗚「ほれっ！坊主共、オラの背中に乗ってけ！」

信綱＆ジョージ「うわわっ。何時の間に・・・」

鯵嗚「皆乗ったかぁ～？」

バース「皆、しがみ付いてるニャッ！準備ＯＫニャッ！！」

鯵嗚（ビシッ！）「移動モードチェンジだぁ～。」

ジョージ「うわ～っ！おじちゃん変身したぁ～。格好いい！！」

信綱「おっちゃんトランスフォーマーだったんか？」

バース「ニャ、ニャンか怪しい奴だから、あたしは歩いて帰るニャ・・・。」

鯵嗚「ほれ、ほれ。姐さんも遠慮しとらんで早く乗りなって。」

バース「や、やっぱり乗らないと駄目ニャ？」

ジョージ「うわーっ。高い、高い～っ！」

信綱（尻尾ピコピコ♪）「こ、興奮するぅ～っ！」

バース「あ、あんた達、喋ってると舌噛んじゃうニャ。黙っとくニャッ！」

鯵嗚「そんじゃ、出発進行だぁ～っ☆」

信綱「これ、もしかしてあの有名な猫バスかも！」

ジョージ「僕は猫タクシーくらいだと思う。」

バース「黄子の奴、妙な奴を雇ったニャ～。」

鯵嗚（ズン、ズン）「わっはっはっ！黄子さんちはまだかね～？」

信綱「うわわ～っ！飛ばし過ぎだぜ、おっちゃん！」

ジョージ「おじちゃ～ん、これじゃあロデオだよぉ～っ。」

バース「あわわわ・・・。」

鯵嗚（ドドドドド！）「わーっはっはっはっ！快調、快調。もっとスピード出すかぁ～？」

信綱「も、もうこれ以上はいいよ！」

ジョージ「安全走行してぇ～っ！！」

バース「無事に黄子の所に着けるのかニャ～？」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ＥＮＤ