昨日 高崎美代子先生一日研修会が米子であったので、参加。
私が若いころからずっと尊敬している方で、台風の中へ突き進むような方向だったが、益田を5時に出発して参加。こういう状況の中でも本当に参加してよかった思える充実した一日となった。
この方の何がすごいのか、というと、まずわかりやすいのは実践がすごいということ。たとえば、1年生の5月には全員が美しい逆上がりができるようになっている、とか、高学年の合唱のビデオを見せてもらったが、「美しき碧きドナウ」を全員が生き生きとうたっているとか、国語では教師もびっくりするような解釈に話し合いでたどりついていくとか、とにかく、見せていただいた子供たちの様子がすごいのだ。図工の作品は撮影とアップの許可をいただいたので紹介できるのだが、本当に見ないとわからない世界。とにかくすごい。
そして、一番びっくりする特徴的なことは、この方は、命令・指示や形式的なことをしないというところ。子供たち自身に考えさせ、協力して解決させていくという方向で、すべての活動に一貫性をもたせているところなのだ。これが尋常ではない。命令や指示をすると、子供たちの自立の芽をつむことになるといわれるほど。
たとえば、日直や、当番、係、給食当番など作らないということなど、子供たちの自立に必要なことかどうか、という視点ですべての活動が進んでいくのだ。子供たち自身が必要と考えた年は、自分たちで作っていくということだった。給食当番など、やりたいと思う子が確実にこなしていき、他の学級よりも随分早く準備が完了するそうだ。
さきほど紹介した1年生の逆上がりも、子供たちがお互いに教えあってできるようになったそうだ。整列なども、頭を使って並ぶ、国語の話し合いも、形式ではなく、子供たちから出てきたもので行うので、年によって変わるなど、話を聞くと驚くことばかりだった。宿題も自分は出したことがないとのこと、音読カードなどで音読練習もさせたことがないといいうのだ。それでいて、ビデオなどではすばらしい音読を披露していたりするから???な感じでうまく吸収できない自分がいる。テストなども、ほぼ全員が100点ということだった。宿題のことにもどりるのだが、子供たちが出してほしいと要求してきたことがあって、そんなときは、「宿題出してほしいなんてすごいねえ、おりこうだねえ、でも、先生がつくるの?それ、大変だねえ、こまったな~」などというと、子供が「先生、私が作ってきてあげようか?」となって、宿題をいろいろな子が作り始めて、その子たちが丸付けしたりするようになるという。ここでは書ききれないのだが、本当に目からうろこのお話ばかりで、驚きの連続だった。ずっと以前から尊敬していたのだが、それは、実践のすごさの部分で、今回聞かしていただいた、実践の裏にある日常の様子、教育観など本当にためになった。でも、文章だけでは信じてもらえないだろうなあというのもわかるのだが、こうしたすごい先生がおられるというのをどうしても知ってほしくてここに紹介したわけだ。とにかくすぎごすぎ。
会の中で印象に残った言葉(高崎先生自身の言葉や、他の方の言葉も含む)
・私は、ほめているのではなく、感動を伝えています。
・他の先生たちは子供たちにできることを先回りして、全部やってしまっているから忙しくなる。私は、4時45分になったらすぐに帰ります。
・最初の3日間が勝負。子供たちが自分たちで課題を解決していこうという文化ができれば、あとは、本当に楽しい1年間になる。
・プログラム学習ではない、時間がくれば、そこで終わり。
・子供と一緒に課題を解決していく一員として、授業に参加している感じかな。
・理想は何もしてくれない先生がいたなあと子供たちが思ってくれるような先生かな。