背中のホック

遺品整理。

ある集まりで知り合った方が、私より、すこし先輩の未亡人でした。

その方は、ごく最近、ご主人の遺品整理をなさったそう。

遺品整理。

いつかは、向き合わないといけない事。

私がやらないと、私の死後、私の分まで、息子たちに押しつけることになる。

分かってはいるんだけど。

以前、テレビで、まだ私より年数の浅い方の、遺品整理を、取材してた。

たしかに、部屋の中は、スッキリした。

でも、取材が終わって、その、スッキリした一人の部屋で、その人は大丈夫だったかしら、と心配だった。

私には、無理。。そう思った。

前述の、すこし先輩の未亡人の方は、遺品整理したことを、誇らしげに話してくれた。

多分、捨ててしまった、いろんな物に対して、未練を断ち切れたんでしょう。

すがすがしい感じを、受けた。

また、ある人は、直後に、他人に勧められて、遺品整理したらしい。

その人は、捨てちゃったことを、後悔してた。

私が、思ったのは、その時、は、自分で決めなきゃいけないって事。

その時は、きっと、突然訪れて、夜中だろうが、えいって、やっちゃうような気がする。

まだ、向き合う事ができない間は、そのままにしておこう。

冷凍庫に入ったままの、夫に食べさせるためだった、冷凍シジミも、

お薬も、整髪料も、シェービングクリームも、ぜーんぶそのままにしておこう。

その時が来るまで。

たぶん、その時は、近い気がする。。。たぶん。


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