五行には五常が振り当てられています。五常は人が常に守るべき五つの徳目(道徳)、欠くことのできないものです。では、五常の意味について説明していきたいと思います。
◆「木」は地上を覆って茂の性質があり「仁」という徳が配置されています。これは、仁人を抱くと言われており、人に優しさや暖かさを与えると言われています。
命式中に木の割合が多い人は、人に対して思いやり深い性格となりますが、多すぎると、執念深い強い傾向もでてきます。例えば、人に何か施したのに、全く感謝されず見返りもない時…「好意でしてあげたのになぜ何もないのか!?」と恨みの思いが湧きいつまでも忘れないのです。負の感情は人の心を虫食み、念が積もると病気につながることも少なくありません。人に対する情が深い故、そういった感情も抱きやすいのでしょう。
真の愛の本質は「人のために与えて忘れる」ですので、木の性質を生かすためにはそのような心を磨くとよいですね。
◆「火」は暗闇を消し去り、明るく照らす性質があり、「礼」という徳が配置されています。これは、社会の定まった形式、礼節、儀式のことです。
命式中に火の割合が多い人は、明るく礼節を尊びますが、頭に血が上り血気怒気に走りやすい、派手さがでるのが欠点です。カーっとなる前に、一呼吸置いてから言動するように心がけたらいいですね。
◆「土」は万物を保って地中に含み入れる性質があり、「信」という徳が配置されています。これは、自分に嘘をつかず他人を欺かないことを意味します。
命式中に土の割合が多い人は、寛大で和と信を重んじ、人をはぐくみ面倒見が良い性格。また、土には不動不変の意味が含まれている。考え方に一貫性があり、一度決めたら他人が何と言おうと考えを曲げない信念の強い人が多いので、周りの人から頼られるリーダー的な存在になることが多いです。しかし、悪く言えば人の意見に耳を貸さない頑固なところもあるため、時には周囲の人の意見を聴き、取り入れるとより一目置かれる存在となれるでしょう。
◆「金」はかたくて剛く、そして鋭利な性質があり、「義」という徳が配置されています。これは、時と場所と行動のことで、人の道に合うことを意味します。
命式中に金の割合が多い人は、剛毅果断で義を重んじ、善悪を区別する力が備わっているが、多すぎると殺伐として人の気持ちを考えず、ずけずけ物申すので人を傷つけやすく、敵を作ってしまう傾向も...。相手の気持ちに立ちながら、柔らかい言葉を使うとよいでしょう。
◆「水」は潤い流通する性質があり「智」という徳が配置されています。これは、全てを悟り全てを知る、わきまえていることを意味します。
命式中に水の割合が多い人は、冷静沈着で知恵があり、道理をよく知り得ているが、多すぎると人に冷たさを与えてしまう、悪知恵が働く傾向も…。言動、仕草を柔らかくするとよいでしょう。
五常それぞれに良い面と悪い面が存在しますが、両面あって初めて陰陽五行が成り立ちます。この世界を見ても、誰一人として全く同じ人は存在しない「十人十色」。補いあっているからこそ、世界はうまく成り立っているです。命式によって、秀でている部分と欠けている部分がありますが、良いところは伸ばし、足りない部分は努力によって作っていけばいい訳です。神様は、私たち一人一人に天性を与えて下さっています。
自分はなんのために生きているのか?なりたい自分になるためにはどうしたらいいのか?まずは、自分の命式をしることから始めてみませんか?(*'▽')