今日は3月にびわ湖ホールで日本初演されるオペラ、コルンゴルト作曲『死の都』について少しご紹介したいと思います。
「死の都」...ちょっと怖いタイトルですが、内容は素晴らしい愛のファンタジー♡です。
先日、原作となったローデンバック著「死都ブリュージュ」を読んでみましたが1日で一気に読了してしまう程、と~っても興味深い文学作品です。
ボードレールなどのデカダン派やエドガー・アラン・ポーなどゴシック小説を思わせる作風で描写が見事です。原語のフランス語版も今Kindleでダウンロードして読んでいるところですが、とにかく語彙が豊富で新出単語のオンパレードです(笑)
☆☆☆
(あらすじは画像)
運河に囲まれ中世の面影を残す街、ブリュージュを舞台にしたお話。
ページの合間には沢山の写真が散りばめられていて、舗石を踏む音や無情な水の流れ、陰鬱なカリヨンの響きが聞こえてくるようです。
敬虔な生活を営む信仰心の厚い人々、崇高な教会や祭事の描写とは対照的に亡き妻への追憶にふける男の心情吐露が生々しく、よりいっそう退廃的で悲劇的な結末に心が重くなってしまいました。
一方オペラでは登場人物が増えていたり、劇団の一座のバッカナール騒ぎなど(笑)余興が添えられたりお決まりの三角関係など内容が多少変えられています。より音楽を楽しむためにも、是非オペラをご覧になる前に本を読んでみて下さい!
ストーリーは原作のあまりにも悲劇的な主人公へ救いの手を差し伸べたような展開になっています。
物語を読まれた後にオペラをご覧になると、きっと重くのしかかった「死都ブリュージュ」に救済と新たな光が感じられる事と思います。
ちなみにオペラの台本はパウル・ショットの執筆となっていますが、実はコルンゴルト本人と父親の共著。
(パウルは主人公の名前、ショットは出版社の名前だそうです。)
肝心の音楽ですが、これまで私が演奏したことがあるのはシンフォニーとヴァイオリン協奏曲のみ。いずれもドイツ後期ロマン派を踏襲し情熱的でうっとり甘い香りが漂って大衆受けの良い感じの音楽という印象がありました。
23歳という若さで発表された「死の都」は冒頭からまるでUSJやディズニーランドの派手でゴージャスな音楽を思わせるような物凄い勢いではじまりますが、それもそのはず!ハリウッドの映画音楽を数多く手掛けて戦後のアメリカのエンターテイメント音楽に多大な影響を与えた作曲家だったのでした。
ハープのパート譜だけで80ページ近くもあるので譜読みが間に合うか心配になってしまうくらい音符がぎっしり詰まっています。(途中で弦が切れませんように!)
全3幕とめどなく溢れ出る表情豊かな音楽が盛り込まれていて、感動の連続です!
ご参考までにリンクを貼りつけます。
美しいアリアをハイライトでご覧ください♡
http://youtu.be/BS6FhpDl22w
3/8、9、びわ湖ホールでの沼尻竜典さん指揮×京響の「死の都」
びわ湖ホールのオペラ詳細はこちら
(キャストが変更になっています。)
http://www.biwako-hall.or.jp/2013/08/7899/
チケットはS席 13,000円 A席 11,000円 B席 9,000円
C席、D席、E席は完売だそうです!
ご予約はお早めに(^_-)-☆
ぜひ観にいらしてくださいね^_-☆
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