ハープの出番はストラヴィンスキーの「火の鳥」
今まで1945版もバレエ版も弾いたことがあるけど、
オリジナルのお話を読んでみたいなと思って調べていたら
偶然ゲルギエフ指揮でマリインスキーのDVDを見つけたので
練習の合間にバレエ鑑賞しました。
暗闇に魔物が潜んでいるような不気味なイントロダクション
そこへ世にも美しい「火の鳥」が登場
何て素敵なんでしょう!!!
そして神秘的なオーケストレーションにうっとり...
イワン王子に捕らえられて嘆く火の鳥
物哀しいヴァイオリン・ソロのオリエンタルなメロディに胸が締め付けられます。
魔法の羽と引き換えに自由の身となった火の鳥...
組曲には入っていませんが魔法にかけられた13人の王女達の若さに溢れたダンスもとっても素敵。
真っ白なドレスに身を包みステージ中を駆けまわる乙女たち
そこへ勇敢に道を進むイワン王子の気持ちを代弁するようなホルンのソロ
ロシアの民謡「ホロヴォード」が用いられた王女たちのロンド
イワン王子と1人の王女の恋の芽生えに胸がときめきます。
不死王 カスチェイの野蛮でグロテスクなダンス
サン=サーンスの「死の舞踏」で印象付けられたシロフォンの冷徹なキャラクター
ストラヴィンスキーの仕掛けるリズムも相俟って脅迫と緊迫感が高まります。
トランス状態に陥り踊り疲れ果てて眠りにつく魔物たち。
↓ カスチェイ
とっても恐いですね。
舞台袖ですれ違ったら怖くて叫んじゃいそう(>_<)
火の鳥の子守り歌
ハープのハーモニックスとヴィオラの幻想的な伴奏に
ファゴットのメロディ。
やはり幽玄で神秘的な火の鳥を投影したオーケストレーションが美しすぎます...
そしていよいよイワン王子が「カスチェイの死」を封じ込めた「卵」を見つけ出し、
それを破壊します!
それによりカスチェイは死に、魔法が解けて手下共々消え去ります。
(組曲にはこのシーンが入っていないので夜明けと共にいつの間にか
魔法が解けてしまっているのですが)
太陽とイワン王子がシンクロするホルンの勇壮なソロ
昇る朝日と共に王女や騎士たちが蘇り
互いに祝福しながら迎えるフィナーレ
王女とめでたく結ばれ壮大なコラールで幕を閉じます。
28歳という若さで最初のバレエ「火の鳥」をパリにて成功をおさめたストラヴィンスキー
生涯を通してバレエ作品を多く手がけていますが、そのリズムのもたらす心理作用を駆使した音楽は
他にない爽快感があります。(達成感?)いつかバレエと一緒に演奏したいなぁ。
ちなみにロシア民話に登場する「火の鳥」は光、熱、太陽を象徴する伝説の鳥、
その美しい姿で人々を虜にし、災いと幸福の両方をもたらすそうです。
火の鳥のオリジナルのお話をについてはまた次回書きたいと思います。
大阪公演は今週末です!
ホロヴォードに関して面白い記事を見つけたのでリンクを貼っておきます。
古代ロシアから伝わる輪舞 | ロシアNOW
http://jp.rbth.com/arts/2016/11/22/649803
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