10月は久しぶりのソロコンサートでした。
10月14日連休の最終日、好天に恵まれ100席のところ400名近いお客様が駆けつけてくださり💖お陰様でとてもよい公演となりました。
公演の準備など京都コンサートホールの皆さまのきめ細やかなサポートのお陰で気持ちよく演奏に臨むことができました。
関係者の皆さまに心より御礼申し上げます。
コンサートの写真やプログラムは京都コンサートホールのSNSでご覧いただけます💖
記事トップ画像はお客様撮影画像を拝借🙇♀️
Merci🦋
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京都コンサートホール ロビーコンサート
Vol.17 松村衣里 ハープ・コンサート
(公演に向けてのメッセージ)
ハープの起源は、紀元前4000年…?
ギリシャ神話やエジプトの壁画、そして聖書にも登場するほど歴史の長い楽器、ハープ。しかし現在のオーケストラで活躍するような機能的な楽器に改良されたのは、ほんの数世紀前にしか過ぎません。
今回のロビーコンサートでは様々な角度から楽器の魅力を感じていただきたくロマン派や印象派のオリジナル作品に加え、リュートの作品、そしてワーグナー発案の(リュートの音色を模した)ベックメッサーハープのための作品をお届けいたします。京都ゆかりの作曲家、山根明季子さんによる新作の世界初演もどうぞお楽しみに。
当日配布のプログラムノートより
(松村衣里)
♪アンリエット・ルニエ(1875-1956):伝説〜ルコント・ド・リールの「妖精」を読んで
パリ音楽院をわずか10歳でハープ科の1等賞を得たルニエは教育者として多くのハーピストを育て、また作曲者としても近代ハープ界の発展に貢献したパイオニア的存在。
魅惑的な妖精のダンス、馬の蹄の音や騎士の息遣いが聞こえてくるような幻想的な音楽を裏面に記載しておりますポエムとともにお楽しみください。
♪チャールズ・オーベルチュール(1819-1895):蝶々 作品317
チャールズ・オーベルチュールはハープ奏者として、ドイツの劇場やヨーロッパで活躍の後、英国に渡り王立音楽アカデミー初代ハープ教授となる。当時開発途中だったペダルハープの演奏技術の開拓に寄与し、ハープのための教本や楽曲は450作を超える。涼やかなアルペジオが、ひらひらと舞う蝶々の煌めきを感じさせる愛らしい小品。
♪オットリーノ・レスピーギ(1879-1936)(グランジャニー(1891-1975)編):
《リュートの為の古風な舞曲とアリア第3組曲》より〈シチリアーナ〉
音楽学者として古楽に造詣の深いレスピーギがオーケストレーションした「リュートための古い舞曲とアリア」第3組曲に含まれる、16世紀に作曲された作者不詳のシチリア舞曲。
ハープ奏者、マルセル・グランジャニーによる撥弦楽器の素朴な音色が生かされたアレンジが施されている。
♪山根明季子(1982-):ピクシーダスト(ベックメッサーハープ独奏のための委嘱作品・世界初演)
ベックメッサーハープは、ワーグナーが《ニュルンベルクのマイスタージンガー》において、敵対する批評家のハンスリックを重ねたユダヤ人のベックメッサー(訳:あら探し家)役のためだけに作らせた楽器だという。ワーグナーによる偉大なるドイツ音楽の誇りを挫くようなちょっと情けない音を出し、出せる音数にも制限が課されている。
そしてピクシーは民間に伝わる、普段は透明で目に見えない悪戯好きな妖精の一種。目に見えないものや、社会の中で見えないことにされているような存在は、それ自体が妖精のような存在とも言われる。妖精の粉は不思議な力を持つ(かもしれない)。回復魔法のSEを模倣した音の形は演奏空間を飛び回り、ベックメッサー(なるもの)を抱きしめ祝福をする。
山根明季子(やまね・あきこ) プロフィール
京都市立芸術大学修了。作曲家として日本を拠点に過剰な消費、消費や管理にまつわるカワイイや痛みの感覚にフォーカスし作品を制作してきた。第20回芥川作曲賞受賞。これまでにサントリーホールサマーフェスティバル、国立劇場、N響 Music Tomorrow、ミュージックフロムジャパン(ニューヨーク)、ワルシャワの秋、ムジカノヴァヘルシンキなど国内外で作品が紹介されている。作曲に加え、第9回両国アートフェスティバル「二次創作」芸術監督、東京現音計画#10、C x C「山根明季子 x ジョン・ケージ」、塩見允枝子「performances & visual works 神戸」各企画など、キュレーションや分野を横断した活動を展開し、音を介した探求や対話の場を作ることを続けている。
♪ガブリエル・フォーレ(1845-1924):即興曲
フランス近代音楽の基礎を築いた作曲家、オルガン奏者。
歌曲「夢のあとに」で知られるように繊細で洗練を極めたハーモニー、装飾的で流麗なメロディーはまさにアール・ヌーボーを象徴するもの。光と影、喜びと憂い、互いにコントラストをなすテーマがフランスのエスプリを感じさせる神秘的な作品。
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アンコール
マルセル・トゥルニエ:朝に