恩を仇で返す放火犯（蕨市）

平成２８年（わ）第５３３号等

館岡 翔（２１）

現住建造物等放火、住居侵入、窃盗（裁判員裁判）

【概要】
平成２７年１２月２１日午後３時３０分頃、金品窃取目的で蕨市塚越７丁目に所在する知人宅に侵入し、腕時計２個、ビジネスバッグを盗み、犯行を隠す目的で同室内の衣類に放火、１４平米の室内を全焼させました。

被害に遭った知人は被告人を弟の様に可愛がっていた人物で、恩を仇で返す被告人の犯行に「裏切られた思い」で有ると述べています。
事件当日は被告人に貸していた金の返済予定日だったため、被害者が返済を求めるも被告人は返済を渋り、ようやく返済したその場で、（火事で、身一つ焼け出された被害者に対し）更なる借金を申し入れています。
被告人の言葉に憤りを抑えられず、「（自分の言っている）意味分かってる？」と被告人に問いかけますが、被告人は「（お金を）貸して欲しい」とだけ繰り返します。当時仕事をしていなかった被告人は消費者金融への返済に追われていました。にも関わらず、彼女へのプレゼントを買いたいと嘘の理由を説明していました。

【私感】
室内がこんがりと全焼しているにもかかわらず、隣接する他の部屋に延焼していない様ですから（下の部屋には消火の為の漏水被害あり）、最近の住宅の耐火性能には驚きを隠せません。

【被害額】
建物：７４７万２６７４円
被害者宅家財道具等：４８７万２７４５円
階下浸水被害：３６９００円
以上が火災保険により支払われていますが、将来的には保険会社から被告人に合計１２３８万円余が求償される筈です。

窃盗の被害品は何れも未発見で詳細な時価等分かりませんが、被害者には思い出の詰まったかけがえの無い品だと言います。