オレオレ詐欺には騙されなかったけれど強盗が来た

平成２５年（わ）第１３５２号

富島 直之

住居侵入、強盗致傷

　オレオレ詐欺を未然に回避した被害者宅に電気工事業者を装い上がり込み、金品を強取した。
その際に、威嚇の為に用意した刃物で被害者に傷を負わせた。

オレオレ詐欺のため、一旦用意した現金が数日間は自宅に保管されていることに目をつけた犯行である。
情報源を同一にしている可能性から、オレオレ詐欺グループとの密接な関係が疑われる。

　被害者は家族の機転によりオレオレ詐欺の被害は免れたが、一旦用意した現金が自宅に保管したままになっていた。「ブレーカ」の点検を装った犯人グループに現金とキャッシュカードを奪われた。直後、コンビニのATMで現金引き出し役の女性によって出金されている。

　計画的で卑劣、巧妙な犯行である。
　前刑の執行猶予期間中の犯行。
　組織内では従属的立場である、自首している等の事情を考慮しても重い刑を免れられないとした。

【判決】
　懲役５年6月 未決勾留日数のうち９０日をその刑に算入する。