傍聴絵日記

@さいたま地裁傍聴席

著作権法違反事件

2014年02月01日 | 刑事事件
川下 伸悟 (カワシモシンゴ)

著作権法違反

 被告人は福岡に在住しWebサイトの管理を請け負うほか夜間は運転代行等を職業としていた。
マイケル0120のハンドルネームで平成24年5月から平成25年8月ころまでの期間にFC2サーバに動画の違法アップロードを繰り返し、報酬として約130万円がFC2から被告人に支払われていた。

 川下がアップロードしていたのは被告人自身が視聴契約を結んでいた会員制有料動画配信サイトであるhuluからダウンロードしたものである。
 アリーマイラブ、glee、ウルフなどのタイトルであった。

 huluの動画はストリーミング形式で配信されており、聴取者は動画を自己のPCに保存出来ない仕組みになっている。
 川下は配信者であるhuluが顧客PC内に動画を保存出来ない形式で配信しているものをサードパーティーのツールを用いる事によって突破していた。
 この様にして不正にダウンロードした動画約1万件をFC2サーバにアップロードして誰でも視聴可能な状態で公開しており、FC2サイト内ではアップロード主の人気ランキングの常連になっていた。

 FC2のサイト管理者からから違法ファイルのアップロードとして警告メールや動画ファイルの強制削除を複数回にわたり受けるも無視し続けていた。

 著作権者(20世紀FOX、コロムビア)からの訴えで警察による捜査が行われ、動画のアップロードに使用していたIPアドレスから身元を特定されタイホされた。
 この間に著作権者の被った逸失利益はDVDの売り上げに換算して、1430万円に上ると算定されている。

 この金額は先述した、被告人の受け取ったアフィリエイト収入の約10倍の金額である。
この金額を民事訴訟で請求されたらと思うとゾッとする。本件は刑事事件の判決であるのでこれとは別に民事事件として損害賠償が請求される可能性は完全には否定出来ない。加えて、huluから規約違反による損害賠償請求の可能性もある。

【判決 】
懲役1年6月執行猶予3年 罰金50万円 裁判費用 被告の負担(罰金が支払えない場合は5000円/日で労役留置となる。)

【収支】
先述のとおり、アフィリエイト収入が130万円あったとしても罰金50万円に加え弁護士費用として20万円程度と仮定して数十日単位で拘束された自由への対価と考えれば全く黒字にはならない事は明らかである。あとは、著作権者の対応次第で最大1千万程度の赤字になる可能性もあり得る。

福岡在住の被告人(つまり犯行地も福岡のハズ)それがなぜさいたま地裁で裁判が行われているのか不思議である。

埼玉県警が著作権者とタイアップしたキャンペーンらしい。
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