被告人の思考がさっぱり分かりません（三郷）

平成２６年（わ）第９２２号

今井 明広

住居侵入、傷害

【概要】
清掃作業員として稼働していた被告人が、職場の対人トラブルから、被害者宅に夜這い早朝忍び込んで頸にハサミを刺しました。

【動機】
先輩に対する口の利き方がなっていない。
縦社会を理解していない。（つまり、被害者は態度がデカイ？）
など、被害者の態度が気に食わなかったと言います。
が、その事を本人に直接注意した事は無かったと言います。

そこから、一気に殺意にワープする被告人の思考回路が全く理解不能です。
（被告人の側に近づいただけで殺意を抱かれる危険が有り得ます。）

【経緯】
事件前日、別の友人と飲酒の席で被害者が話題になり、不満を募らせ被害者方に赴き侵入可能で有る事を確認した後にコンビニで凶器を準備し、被害者宅に殺害目的で侵入しました。（酔っぱらいが容易く侵入出来る被害者宅の施錠が大いに疑問）
目を覚ました被害者と対面し驚いて、殺意は無くなったと言いますが、結局頸部に準備したハサミを突き立て傷害を負わせました。
が、コンビニで買ったハサミの先端は鋭利でなく丸かった。結局、余り深く刺さっていない様子。

【凶器】
凶器をコンビニで準備しましたが，ハサミしか売っていなかったと言います。（カッターは無かったの？）
もし、日中だったらより殺傷能力の大きな刃物を日曜大工店等で準備出来ていたかもしれません。

【証人】
情状証人で被告人の母が証言します。「乱暴な子ではない」と言いますが、被告人には過去にも同様の傷害事件（執行猶予）の前科がある様ですので、何を根拠にその様に述べるのでしょうか。

【所感】
犯行に至る迄の自身の感情を整理出来ていないと感じます、なぜそんな唐突な行動に出るのかを自身で整理出来なければ再犯は必死であると思いました。自己の感情ときちんと向き合うべき、とは思いますが具体的にどうすれば良いか問われたら私も答えに詰まります。（と言うくらい難解な思考回路です）セイシンカンテイシタホウガ…。

【求刑】
懲役２年（雑音の無い場所で自己を見つめ直す機会が必要でしょう、出所後は出家する事をお勧めします。）

【判決】
９月１７日