生活保護受給者の覚せい剤使用（戸田、蕨）

平成２６年（わ）第１７０９号　

田中 達成（５５）

窃盗、覚せい剤取締法違反

【概要】
平成２６年２月の前刑（内容失念、確か覚せい剤事案）出所後、生活保護を受給して戸田市所在の支援施設で生活していましたが、出所後半年の８月２８日に万引きで捕まります。
更に３か月程経った１２月９日におにぎりを万引きして再び逮捕されます。その際の尿検査で、覚せい剤の使用が発覚しました。

【経済状況】
１か月あたり１２万５千円程の保護費が支給され、施設代として９万円程が必要で、この中には食事、代光熱費等が含まれています。ただし、食事の時間は決められており、定時を過ぎた場合は食事がとれないそうです。
すなわち、不規則な生活を送っていた場合は残額の約３万数千円の中からその都度食費を支出する事になります。

【被告人弁解】
８月２８日小腹が空いたので、蕨市幸町のマツモトキヨシに出掛けた。
きちんとお金を払って 買うつもりだったが、節約の為に盗んでしまったと述べます。
被告人はエコバッグの代わりにビジネスバッグを持って買い物に行く様です。（また、店内ではカゴを使いません）
小腹を満たすのになぜか焼酎が必要な様です。（支援施設内は飲酒禁止です）

１２月初旬ころ蕨駅東口でトルコ人から覚せい剤を入手します。被告人の弁解では父親が亡くなった事を知ったのがそのころだと言います。（そのショックから「つい」薬物を使用してしまった、可哀想な自分を演出したいのでしょうか）取引相手をトルコ人だと知っていても、連絡先を知りません。（というか、明らかにしません）
覚せい剤を買う金を工面する為に、万引きして生活費を浮かせていたのでは無いかと思うぞ。

１２月９日に再び万引きで捕まりますが、逮捕当時「両腕に注射痕」が認められますから、その前日１回のみの使用とは思えません。
「意志が弱かった」と弁解しますが、万引きを繰り返し、その金で繰り返し覚せい剤を購入していた気がするぞ。

社会復帰後は、知り合いを頼って茨城の土建会社で働きたい、もう（覚せい剤使用で逮捕されるのは）最後にしたいと述べます。
前刑出所後の求職活動中に（今回は）逮捕されてしまったと言いますが、前刑逮捕前も同様に生活保護を受給しながら暮らしていました。

本件被告任人には、保護費を支給しなければならない止むを得ない事情が有るのでしょうか。

【求刑】
懲役３年６月