【判決】 ラッシユの密輸＆所持

平成２９年（わ）第１２３４号　

山口 傑　

医薬品、医療機器の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律違反、関税法違反

【判決】
懲役２年６月、執行猶予４年、押収中の規制薬物（亜硝酸イソプロピルを含有する液体）入り小瓶（DeepRedのラベル）の没収

【私感】
税関で禁止薬物の輸入許可の確認に関する通知を受けながらも、通知を無視し続けて事件化するケースが最近増えていると感じます

過去には合法ドラッグ、脱法ドラッグなどと呼ばれていましたが規制薬物に指定され国内での入手が困難になったことで、海外からの個人輸入を試みる様ですが、税関を甘く見てはいけません
本件の様にラッシュは発見され没収されますし、起訴された場合はご禁制品の所持と密輸の二つの罪になりますから、より強固な犯意に基づく行為と認定され兼ねませんので、駅前で外国人の密売人から購入する覚せい剤の単純所持、自己使用よりも刑期が長く（概ね一年増し程度）なる傾向があると感じます
ネット通販の普及、カード決済によって海外からの購入のハードルが著しく低くなりましたが、その行為自体は紛れもなく「禁止薬物の密輸」という北朝鮮のスパイ船乗組員が極寒の日本海で命がけで行なっている行為と何ら変わりありません
こたつの中で「ポチッとな」だからと言って刑が軽くなる訳ではありません

また、過去（２０１７年）にはHIV治療薬の副作用緩和を理由に危険ドラッグを輸入、使用したとの言い訳した本件とは別の某被告人が居ましたが、この弁解は通用しない事、HIVの治療を理由に服役を回避する事が叶わなかった事は件の事件で実証されています