傍聴絵日記

@さいたま地裁傍聴席

継母の悩み(草加)

2014年11月18日 | 刑事事件
平成26年(わ)第887号 

福島 麻里子 

傷害致死 

【概要】
グズっている4歳の娘を育児の悩みから(カッとなって)突き飛ばしてしまったところ、意図せず頭部に重い傷害を与えてしまい、その時の負傷が原因で死亡させてしまった被告人の事件です。
被告と被害者は血縁が無いものの、被告人なりに被害者の将来を案じ、育児に悩んだ結果の結末の様です。
脳内の架橋静脈剪断による急性硬膜下血腫が死亡原因です。

被害者は病弱だった実母と生後間もなく死別しています。

被告人は父親の両親、すなわち祖父母と暮らしていましたが、被告人と父親の再婚の為に家族3人で暮らすようになりました。祖母と被告人とは被害者の子育て方針に確執があったと言います。

父と被告人は共働きだった為に被害者は日中は幼稚園へ通うようになりましたが、そのころから被告人から笑顔が消えたと言います。
未熟児として生まれた被害者が周囲の同年代の子供たちから遅れがちな事に気を病み、被害者に不満を募らせてしまった様です。(ザックリ言うならスパルタ風だった様です)
自分の子供だと思いたいのに可愛くない。そんな風に述べていましたが、被害者に接するときの自分の表情を思い浮かべた事があったのでしょうか。しかし、だからといって愛情に欠けていたとは思えません、むしろ育児放棄する母親が多く居るのに対し、自らの信念に則り一生懸命被告人なりに頑張っていたのは理解出来ました。
ですが、…それでは息が詰まるでしょ、と。

一方、被害者も黙り込んでしまう事が増えたと言う様に継母への対応に戸惑っていた様子が伺えます。
冷静に考えれば、被害者の対応には明らかに抵抗と戸惑いが感じられますが、暗中模索でなんとか現状を解決しなければと言う強迫観念から被告人は盲目的になっていたのだと推測出来ます。

もう少し大らかに接してあげられたら、と思わずに居られませんでした。きっと被告人の真面目で几帳面すぎる性格に起因している様な気がしました。ネグレスト気味の母親ならば逆に起こり得なかった事件であったとの感想です。

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