無免許運転、信号無視、柵を突き破っての破損事故、周囲を巻き込んでの逃走につぐ逃走・・・・・・まるで、一個のパンを盗んだことからついには大きな過ちに至ってしまう小説のようである。
何が少年をこういう行為に駆り立てたのであろう。親や家庭への反発か。学校や教師や世間への反発か。それとも仲間に対する自己アピールか。あるいは自分を包む人間関係がもろもろおもしろくなくてやってしまったか。
どういう理由であれ、反抗心だけに支えられた前後見境のない行為である。何かは分からぬが、ある種の場面や言葉がきっかけになって頭に血が上ったのかもしれない。それがこのような暴走を生んでしまった?
けれど、この年頃はこれで周囲に迷惑をかけたとは深く考えないであろう。反省の態度は示しても心の底からはそれを認めないから、すぐそれを忘れてしまう結果になる。場合によっては同じような失敗をしでかす。内容は違うが、自分もそうだった。そういう年頃なのだ。自分の正当性が、世間の常識と大いにずれていたりしても平気なのである。
二十代の半ば頃にかかると、そういう行為の愚かしさが見えてくるようになる。馬鹿なことをやったな、と顔が赤くなってきたりする。
この少年には、この行為の愚かしさが早く見えるようになってほしいと願うものである。
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