雨の記号(rain symbol)

涙まじりの初笑い



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キム・ナムジュ『KBS演技大賞』受賞、“涙ポロポロ”


異変はなかった。KBS週末ドラマ『棚ぼたのあなた』が予想通り『2012 KBS演技大賞』の主人公だった。『棚ぼたのあなた』のキム・ナムジュが演技大賞のトロフィーを胸に抱いた。

『KBS演技大賞』は十分に『棚ぼたのあなた』の功労を祝賀する席だった。男女新人演技賞を始め、ベストカップル賞、男女助演賞、女優優秀賞、作家賞、男優最優秀賞、そして栄誉の演技大賞に至るまで主な部門の賞を独占一人占めした。『棚ぼたのあなた』で初めての週末ドラマに挑戦し、初めてKBSに出演した女優キム・ナムジュは、デビュー以後初めてKBS演技大賞を受賞し感激の涙を流した。

この日キム・ナムジュは「KBSに初めて来れて(こういう賞を受けて)感謝します。学校に通ってた時も1等をとったことがなかったのに、このように1等をとれてとてもうれしい」と、涙を流した。引き続き彼は脚本家のパク・チウンにその栄光をかえした。彼女は「パク・チウンさんは本当にすごい人」としながら「私より年下なのに、だがいつもお姉さんのように私がただをこねるたびに軽く叱咤してくれた」と感謝の気持ちを表わした。キム・ナムジュと脚本家のパク・チウンは『僕の妻はスーパーウーマン』、『逆転の女王』などを共にやってきた。最後に彼女は「新人の頃、演技を放棄したいと思った時、勇気をいっぱいくれた母、心強い私の夫キム・スンウさん、そして娘と息子まで。愛する家族とこの喜びをわかちあいたい」と話した。
(エンタメニュースより)


 2011年はNHKの紅白を見て年を越したが、2012年の大晦日はKBSのケーブルテレビを見て年を越した。8時半過ぎからKBSテレビの『KBS演技大賞』授賞式の模様をライブ中継したからだ。
 NHKの紅白歌合戦はブログに書きたいK-POP歌手が出ていなかったので気持ちが向かなかった。ひと組でも出ていたらたぶん見ただろう。
 『KBS演技大賞』は、2012年に放送された30あまりのKBSドラマから選抜された優秀作品、キム・ナムジュの「棚ぼたのあなた」、ソン・ジュンギ、ムン・チェウォンの「優しい男」、チャン・グンソク、ユナ(少女時代)の「ラブレイン」、チュウォンの「カクシタル」、コン・ユの「ビッグ」、オム・テウンの「赤道の男」、シン・ヒョンジュンの「海雲台の恋人たち」、チェ・スジョンの「大王の夢」などの中から、それぞれの部門賞(新人賞やらベストカップル賞やらいろいろあった)に見合った活躍をした俳優(女優)たちを選出し表彰していくイベントだ。そしてそれらの中から最後にもっとも活躍した俳優(女優)に本賞である「演技大賞」が授けられる。
 日本にもこの種の授賞式はあるし、テレビで放送されるのはもっと大きい規模だと思える。そのせいもあるのかこのイベントは見て楽しいだけでなく、いろいろ考えさせられて愉快な気持ちにさせられた。
 ひとつはすぐ年が変わるせいもあってか、忘年会のような遊び心が感じられたことだ。ファンの入場や声援が許されているのもそうだろうし、部門賞の数が多いのもそうだろう。受賞者が長いコメントを出したりしたのもそうかもしれない。
 日本の場合だと受賞者が長いコメントを出すことはあまりない。たまにあってもベテラン俳優がそうするくらいで、若手俳優(人気があっても)がそうすることはあまりない。
 しかし、韓国の若手俳優らはベテラン俳優たちの前で臆せずにコメントをだしてくる。
 韓国で人気が沸騰しだしているソン・ジュンギなどは二度出てきたが、二度目のコメントなど”大丈夫か?”と思うほど長く喋った。俳優仲間を二度話でいじってベテラン俳優らの涙や笑いを誘ったくらいだ。
 もっとも、彼らが長いコメントを出しているからといって、字幕が出ていないから何を話しているのかほとんどわからないわけだが、伝わってくる雰囲気として受賞者らは、撮影現場の様子、スタッフらとのコミュニケーション、自分の演技などについてしっかり語っているように感じられた。
 おかげで彼らの演技に対する姿勢はすごくよく伝わってきたし、劣悪な条件下にあっても、臨場感とエネルギーに溢れた演技がどうして生まれてくるのかも理解できた気がした。

 各俳優(女優)らが次々賞をもらっていく中、ファミリードラマ「棚ぼたのあなた」で今年もっとも活躍し、注目を浴びた女優キム・ナムジュは、終始控え目な印象を湛えていた。
 「棚ぼたのあなた」の下馬評は高かったし、演技大賞をもらうのはこのドラマに主演した彼女だろうと僕も思っていた。
 実際、「棚ぼたのあなた」の出演者が次々と部門賞を取っていった。部門賞を二つ取った俳優(女優)も出たくらいだ。しかし、キム・ナムジュはノミネートされても取れない。作品が表彰されて全員で一度ステージに出たものの、後は自分の席に戻って静かに控え、作品仲間や他作品の受賞者らに拍手を送っていた。
 ソン・ジュンギ、ムン・チェウォン、ユ・ジュンサン、ユン・ヨジョン、オム・テウン、ユナ(少女時代)、スジ(MissA)、シン・ヒョンジュンらが部門賞を受賞し、ステージに出て司会を預かり次々と輝いていく中、キム・ナムジュの出番はなかなか訪れない。

 途中でドラマ宣伝を兼ねたスペシャルイベントが入った。
 チャンヒョク、イ・ダヘ以下、「アイリスⅡ」出演俳優陣によるデモンストレーションだった。
 ステージ正面の巨大モニタにこのドラマの予告編が流された後、黒装束の彼らが登場してスピード感溢れるアクションを繰り広げた。僕は格闘シーンの動きの速さに目を奪われた。スタントマンがやっているのならこのくらい当然だと思った。だが、チャンヒョクやイ・ダヘなどこのドラマの主演陣が代りなしでこれに挑んでいたのだ。
 それは撮影現場でも彼らがそういった場面に挑んでいるのを示している。
 「アイリスⅡ」制作陣は、”やっぱり気合の入り方が違うな”と感じたことだった。
 このドラマは次も期待が持てそうである。

 さらに授賞式は続き、もうキム・ナムジュにしか賞はやれないほどになってクライマックスが訪れた。
 ”私は取れないのか?”と彼女が思ったはずはない。ただ、視聴者の中には(イーサンハダ”おかしいな”?)と首をかしげだす者もあるいはいたかもしれない。
 しかし、ここまできたら残っているのは彼女だけ。九十九パーセントの者は”最後に好きな料理を食べる”気持ちとなりだしていたはずである。

 果たしてキム・ナムジュの名が呼ばれた。デビュー以後初めて、彼女はKBSの栄えある演技大賞を受賞したのだ。
「KBSに初めて来れて(こういう賞を受けて)感謝します。学校に通ってた時も1等をとったことがなかったのに、このように1等をとれてとてもうれしい」
 彼女あって今年のドラマとはいえ、ドラマ仕立てもここまでくれば可笑しさを覚える。
 しかし、そんな時間も、年を越してすぐに過去の夢の中である。
 クシャクシャ涙を流すコメディーの大女優キム・ナムジュに僕は可笑しさと一緒にもらい泣きをしてしまった。
 涙まじりの初笑いとなった。
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