雨の記号(rain symbol)

続、続野球小説から

 さらに野球小説の続きである。
 この文の書き出しで、長嶋監督を長島監督とやった。当時、長嶋監督は長島監督としてスポーツ新聞の紙面をにぎわしていたのであろうか?
 僕はもうそのことを覚えていない。
 作者の井上ひさしは長島監督で小説を書き進めている。脱稿後、長島監督や亜希子夫人をユーモアモデルとして作品に登場させたことの詫び状も文末に添えているが、やはり長島と書いている。
 この小説は、長島巨人が最下位に終わり、翌年、優勝した時の話をフィクション仕立てで書いてある作品である。
 この年、王座奪還にかける長島巨人は、なりふりかまわず選手補強に駆けずり回るが、そこでくだんのヒロインとであう。もし、このヒロインが巨人軍に加わらなければ、再び、最下位に終わっていたであろう、というのがこの小説の設定である。
 何しろ、このヒロインはこの年、七十勝以上の勝ち星を挙げて、巨人を優勝に導くのである。エースの堀内でさえ、四勝十一敗であるから、この小説はとことん笑わせる。
 野球は男のスポーツではない。プロ野球の規則(ルール)にそのことは書かれていない、というところをついて、さっそうと登場したこのヒロインは、たった一年の活躍で舞台を下りていく。妊娠したからである。
 やはり、女性に野球は向いていない、という雰囲気がこのラストから漂うが、あれから三十年経った今、現実として本気でプロ野球を目指す女性選手が登場しだしている。
 バッターとしてはともかく、セカンドやファストの守備要員として可能な気はするが、果たしてその日は来るのであろうか。
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