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漫画家の吾妻ひでおさんが、出版した日記本のまえがきでこんなことを書いていた。
「私もそうですが世の中には他人の日記マニアの人もいるので少しは売れると思って出してみました。私が好きなのは闘病記とかで最後は著者が死んじゃうやつかな(ろくでなしです)」(うつうつひでお日記)
これ読んだ時、わー僕と同じ趣味じゃん!って、吾妻先生は同志だ・・・って思ったわけ
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僕は日記を書くのも、人の日記を読むのも好き
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以前書いたように“日日不穏”は、筒井康隆さんの日記のタイトルだし、闘病日記は僕の書棚にたくさんある
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著者の生死に関係なく、病気と向き合う書き手に感情移入するという理由で、闘病日記が好きなのだ
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そもそも僕は、子どもの頃から、“死”をずいぶん怖れていて、小学校の低学年の頃はそれで塞ぎ込んで眠れない夜を何度も過ごしたし、大学時代には、吉本隆明氏の『死の位相学』って本にのめり込んだ
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社会人になってからは、闘病記を買い漁り、ウェブ日記から、ブログに乗り換えたのも、若くして、余命2年の宣告を受けた奥山貴宏さん(『31歳ガン漂流』の著者)の影響が大きい。リアルタイムで自分の病状を報告する奥山さんに一喜一憂しながら、僕もブログを書き始めたんだよ
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終活、エンディングノートって言葉が、ここ一年で流行してるけど、「人生を終えるにまでに、自分はこうしたい」ってことを整理しておきたいって気持ちは、結構前からあったのね。そんなことを考えてる時に、生協で「お葬式を考える」っていう“おしゃべりカフェ“をやるって言うんで、午前中に参加してきた
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生協で葬祭事業の立ち上げを準備するってことが決まってて、どういうお葬式をしたいか、とか、お葬式でどんなことが気になるかとか、気軽に話そうと云う企画なんだ。
生協側としては、組合員ニーズをリサーチしたいって位置づけもあると思うんだけどね。
参加者は、60歳前後の団塊世代。それともう少し上の人と、比較的若い奥さんが一人参加してたんだけど、結構面白かった。葬儀社は、昔から見れば、料金体系は大分透明化してる半面、お布施やお墓の問題に予想以上のお金がかかったり、揉めたりするとか、自分の葬式の話をすると子供が取り合ってくれないとか(そんなこと考えないで、長生きしてくれなんて言われたりする)・・・なるほどって事例をいろいろ聞く
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生協がやる葬祭事業ってのは、コープこうべみたいに、自前でホールを持つってやり方じゃなくて、斡旋方式。
民間のように、葬儀が終われば、関係はそれでお終いって言うんじゃなくて、その後も、生協の持つ組合員のインフラを使って助け合っていくものを作りたい・・・そんな感じかな
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和気あいあいといろいろ話をしてきて、生協特製のエンディングノートを貰って帰ってきたよ。まだパラパラと目を通したくらいだけど、自分の宗派は?そう言えば、祭壇に飾る自分の写真撮ってないなー・・・とか(今撮ってどうする)。
まずは自分のやりたい“始末”をまとめて、それから、先のことを考えようかなって思ってる。今さ、20代でも、エンディングノート書いてる人いるし、僕の年齢で書き始めることには違和感感じないよ、別に。
“エンディングノート”って映画の公開も始まってて、長野ロキシーで公開が始まるのは、来月の10日から。それまでにノートに書き込みを済ませとこう。
それにしても、上映するのが、独特のポリシーを持つロキシーってのも、いかにもって感じがするね。
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