思い込み

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いつになったら人里が見えてくるのかなと思うくらい、山道を走った。

田んぼが見えてきた。

すると、田んぼの真ん中で、こげ茶色の物体が動いている。

「お父さん、車止めて！いのしし、いのししがいるよ」

車の窓をあけ、カメラをかまえた。ところが、

「車をはよ出して！はやく、はやく！」

人間だった。女の人が、ず～とうつむいて仕事をしていた背中が見え隠れしていた

のだ。田んぼの真ん中まで、稲を倒したような跡があり、てっきり猪だと思った。

一人でびっくりして、一人で大笑いした。主人は横で呆れ顔・・・。


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