人でさしたる唐傘なれば、片袖濡れよう筈がない
惚れた数から、振られた数を、引けば女房が、残るだけ
惚れて通えば千里も一里、逢わで帰れば、また千里
惚れさせ上手なあなたのくせに、諦めさせるの下手な人
枕出せとは、つれない言葉、そばにある膝、知りながら
ゆうべしたのが、今朝まで痛い、二度とするまい、箱枕
横に寝かせて、枕をさせて、指で楽しむ、琴の糸
よその夢見る浮気な主に、貸して口惜しい、膝枕
わたしゃお前に火事場のマトイ、振られながらも、熱くなる
赤い顔してお酒を飲んで、今朝の勘定で青くなる
諦めましたよ、どう諦めた、諦めきれぬと諦めた
あついあついと言われた仲も、三月せぬ間にあきがくる
あの人のどこがいいかと尋ねる人に、どこが悪いと問い返す
嫌なお方の親切よりも、好いたお人の無理が良い
色はよけれど、深山の紅葉、あきという字が気にかかる
色が黒うて惚れてがなけりゃ、山のカラスは後家ばかり
入れてもらえば気持ちは良いが、ほんに気兼ねなもらい風呂
梅も嫌いよ、桜も嫌い、ももとももとの間(あい)がいい
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