楽しみにしていたシリーズの話が飛んでいるのである。他のものも話が合わない
「今日は何日なの」
母が答える
「6月30日」
「5月じゃないの?事故は昨日のことでないの??」
「5月20日の夜ですよ」
40日の時が流れていた。1週間意識不明24日間意識混濁、記憶の回復10日
臨死体験など何も無く、ただ時間だけが流れていた、タイムスリップした
ようだった。
前日に眠り翌日目が覚めたその感覚である。しかし時だけが違っていた。
40日経っているので体はどこも痛くない、頭以外は怪我は無い。唯一の外傷で
唇を切っていたが、.もう治っており抜糸もされている。頭の毛が無いだけで
ほかは変わりが無い。
夕食がくる、看護婦mさんが持ってくる、彼女は私の担当である、異常に親近感
があったのはこの為である。
6人部屋に4人がいる。頼んでおいた普通食がくる、前では混濁状態のOさんが
流動食を、隣は一月意識不明で食事は無い。
食べるという当たり前のことがそうでない!自分はまた食べることが出来た!
言い知れぬ感動に包まれる、
『自分はどこから来たのか? 何のために生きている?』今までの自分の
将来の目標、追い求めていた事てがむなしく風を追うようなものである。
命がなければ何にもならない。地位、名誉、金、すべては価値が無い
この新たに得た命は自分のためでなく何かに用いたいと思うようになる。