雪

　西の空から黒いどんよりした雲がどんどん湧き出てきて空全体を覆ってしまった。
冷たい西風とともに白いものが舞い始め、やがてどんどんと降り積もり、あたり一面を覆いつくした。
寒い、冷たい、手足に凍えるような痛さが走る。歩いても歩いても・・・
これまでは、大自然の営みで、冷たく寒い冬のあとは必ず、燃えるような新緑と花が咲き乱れる春が
やってくることになっていた。今度のこの冬の次に必ず春がやってくるだろうか？もしかして・・
冷たい暗い雪原の向こうに、かすかな明かりが見え始めた瞬間、目が覚めた。