「わたしはね、おばあちゃんが、古い布の端切れなどを、たくさんためて、風呂敷にくるんであるのをみて邪魔物だなあと、いつも思っていたのよ。
ところが、この頃、おばあちゃんはこの端切れや古い着物を解いた布などをうまく生かして、紐をくけておられるのよ。出来上った紐は近所のひとや親しいひとに差上げては、よろこんでいただいていられるのだが、本当に気に入ったものができた時などに『これは、おかあさんにあげるでな』といってわたしに下さるのよ。
包みのなかの布をひろげてみているおばあちゃんが時に、『これは、娘にやった布の端切れだが……』などと、思い出話をして下さるのよ。おばあちゃんにとってはどんな小さい布切れでも、そのひとつひとつにいろいろな思い出があって、粗末にはできないのだと思うようになってきたの。これは邪魔物どころじゃあなくて、とても手放し難い大切なものだということが判ってきたの。わたしも、おばあちゃんからいただいた紐を使いながら、何かいつも、温かいものに包まれているような思いになってきてねえ」
昭和55年2月28日朝『続々山ぶどう』より
ところが、この頃、おばあちゃんはこの端切れや古い着物を解いた布などをうまく生かして、紐をくけておられるのよ。出来上った紐は近所のひとや親しいひとに差上げては、よろこんでいただいていられるのだが、本当に気に入ったものができた時などに『これは、おかあさんにあげるでな』といってわたしに下さるのよ。
包みのなかの布をひろげてみているおばあちゃんが時に、『これは、娘にやった布の端切れだが……』などと、思い出話をして下さるのよ。おばあちゃんにとってはどんな小さい布切れでも、そのひとつひとつにいろいろな思い出があって、粗末にはできないのだと思うようになってきたの。これは邪魔物どころじゃあなくて、とても手放し難い大切なものだということが判ってきたの。わたしも、おばあちゃんからいただいた紐を使いながら、何かいつも、温かいものに包まれているような思いになってきてねえ」
昭和55年2月28日朝『続々山ぶどう』より
モノに対する価値観は人によって様々でありますが、他人の価値観を尊重できるということが素晴らしいですね。
とかく押しつけがちなのもなだけに、脚下照雇の心です。
輝きます。。
そこには、、おばあちゃんの歴史があって、、
想いがあって、、愛がある、、
たるみも、、若い時にゃ、、わからんかった、、
邪魔だった、、
しかし、、今は十分わかる気がする、、
で。。。。
小さいころ<だいこんの煮物>が苦手だった、、
なのに今じゃ、、大好物。。
そんな感じかな。。
この手の話に弱かとです(笑)