平凡に生きてたって色々ある

日々の出来事の記録です

結婚したけど思ってたのと違った話

2021-09-08 05:48:00 | 日記
9月1日、長年付き合っていた彼と入籍した。

婚姻届をだすときは嬉しい気持ちでいっぱいなのかと思ったら、私の心を埋め尽くしたのは喪失感だった。苗字も本籍もどうでもよかったのに、いざ紙を渡した時には私の手からいろんなものがなくなる気がした。

これから銀行やらマイナンバーやら全ての氏名を書き換えなければならない。いずれ旧姓の情報はなくなり、判子も破棄することになるのだろう。

さようなら、わたし。もう戻れない。

さいごに役所の人が気を利かせて撮ってくれた写真をみたら、見事に私だけ作り笑いを浮かべていた。チーンとしている。思ってたのと違う。インスタでよくみるアレ、お揃いの白Tをきて2人で婚姻届をもって幸せそうなアレと全然違う。何度も撮り直してくれたのに、同じ作り笑顔の写真からはどう頑張ってもチーンしか聞こえない。心に嘘をつけないたちなのである。2人の中でこの写真はもうなかったことになっている。(カバー写真は家に帰ってから猫の手を借りてなんとかマシになった)

母や友人にネタとしてこのことを話すと、びっくりするくらいみんなが共感してくれた。この世界で私だけかと思ってた。

みんなこんな気持ちを抱えて結婚してきたの…?幸せな結婚とは…?疑問と不安でいっぱいになるなか、未婚の兄からは「それが結婚だよ!」と軽々しく言われた。お前に何がわかる。私だって直前までは、夫婦別姓の裁判をするくらいなら、結婚しなきゃいいのにと本気で思っていた。これは絶対に結婚して苗字を変える人がその時になってみないとわからない気持ちだ。

大学を卒業する時に
「いつか結婚したら苗字が変わるから」
といって母が下の名前で実印を作ってくれた。

実印ってごにょごにょして読めなくて、それがカッコいいはずなのに、私の名前はひらがななのでどうしたって読める。はっきりと読める。実印なのに子どものおなまえ判子感が否めなくて恨めしかった。

当時は絶対つくり直そうと思っていたが、
これまでもこれからも変わらずに使えるこの実印を、今はそこそこ気に入っている。

婚姻届けにはこの実印を押した。

私は私。
これからも私は私。

心の中でそう念じながら押したから、すごく滲んだけれど、それはなんかよかった。

いい思い出ばかりじゃないし、涙もたくさん流したし、彼には元奥さんのところに子どももいて、初婚同士のいわゆる普通の結婚じゃないから、滲んだ婚姻届がぴったりだと思った。