ひきこもり ぼーっと暮らし

23年間ひきこもりでさみしい毎日。でも時々嬉しいこともあるから一日いちにち頑張って生きる

もちろんパイプオルガン

2016-06-09 02:37:41 | お題
  小さい頃から、目立つのが好きでした。……いまはひきこもりだから、小さい頃『は』目立つのが好き、かな。舞台なら主役がいいし、生徒会選挙に出て演説とか大好き。市民館で作文の賞状をもらうなんて、嬉しさのあまりニコニコしてしまう。

 それとは別の話で、クラシック、特にバッハが大好きです。やっぱり小さい頃、父がクラシックファン、母はピアノの先生だったので家にあったレコード・カセット・CD(ちょうど録音メディアが移り変わる時期だった)は全部クラシック。

 その中でもバッハのオルガン曲が好きで、まるでビクターマークのワンコみたいに、ステレオの前に座って耳を傾けていました。父が「ステレオ、高価かったけど、ここまで聴いてもらえるなら買った価値はあるなあ」とつぶやくほどでした。

 夢は、キリスト教系の大学に進んで、聖歌隊のオルガン奏者になることでした。どんなに美しい歌声でも、聖歌隊の一人なんてつまんない。やはり皆の後ろでひとり、巨大なパイプオルガンに向かって壮大で重々しい曲を奏でないと。

 TVで見る、パイプオルガンがあるホールで録画された(NHKばっかり)コンサートを見て痺れました。パイプオルガンの人って唯一オーケストラの中で指揮者に背を向けているから、普通には指揮棒が見えない。オルガンの横の鏡で、指揮を確認しながら弾く。その特別さがまたかっこいいと思っていました。

 オルガン奏者になるためには、まずピアノを極めないと、と小学生のころはせっせと毎日ハノンピアノ教本を練習するまじめな子だったけど、ありがちなことに、中学に上がるころから他の趣味に目移りして、だんだんおろそかに。中2のとき「忙しいからピアノを習うのやめる」となって……

 オルガン奏者は夢と消えてしまいました。でもその後も、高校から大学へ進学する資料を取り寄せたとき、「国際基督教大の教会にはパイプオルガンがあるのか……」と気にしたりしていました。結局、パイプオルガンとも、賛美歌とすら縁のない、がさつな国立大に行って、とうとう縁もゆかりもなくなった。

 でも、今でもコンサートの番組を見るとあの頃のあこがれが蘇ります。すこし身体を傾けて指揮棒の映る鏡を見ながら、手で、足で、荘重な音楽を奏でるパイプオルガンが今でも大好きです。

 というわけで「生まれ変わったら、今度こそしっかり頑張って、パイプオルガン奏者になるんだ」というつもりでいます。生まれ変わった時代にパイプオルガンがあるのか、生まれ変わったら今の夢を覚えていられるのか、ぜんぜん確証はないんですけど。





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