池田学院

ジュクチョとみんなの談話室

勉強したい?

2013年02月04日 | 受験・学校

以前、ある小学生の保護者からこういう要望があった。
「なぜ勉強をしないといけないのか、教えてやってほしい。」

勉強は読書に似た側面を持つように思える。
どんなに面白くて後々ためになると感じた本でも、最初の数ページはわけが分からなくてつまらなかったという経験は誰でもあるだろう。

「勉強も初めはつまらないかもしれない。でも、読書と同じようにはまってくると面白くなるから、がんばって続けなさい。長い人生の中でほんとうに勉強がしたくなったときにきっと役立つから。」と、ここらへんが本音ではある。

ただし、これで納得する子がどれだけいてくれるか?

「勉強をすることで可能性が広がるのだよ。選択の可能性を広げて、幸せな人生を築くために勉強をがんばれ。」よく聞く励ましの言葉だ。

しかし、現実はどうか。
子どもたちを取り巻く日常においては、むしろその反対で、勉強が元で不幸になってしまっている人がいるように見えるのはどうだろう。あるいは、人生と勉強の関係などはとうの昔に除外してしまって、「勉強を能率的に片付けること」しか考えていないように見える子どもが多くいるように見えるのはどうだろう。

もちろん、国民の義務だからというような説明でも納得してもらえないであろう。であれば、なぜ義務なのかを説明するべきなのか?

難しい。
そもそも自分がそれを理解できていない気がする。

しかし、
まがりなりにも勉強ということを生業としている身なのである。
それを説明できなくて、何を説明しているというのだ?

私は小さいころから勉強が大嫌い。
学校の勉強はもちろん、自分で興味関心を持って調べたりすることもほとんどないまま成人して、塾講師という一社会人となった。そこまできてやっと、学校の勉強をする必要性が出てきた。ただし、その段階では必要性に駆られていただけで、勉強をしたくなったわけではなかった。
それでもなお、勉強嫌いの性質は抜け切れずに、勉強嫌いを自称してはばかることなくこれまで生きてきた。

しかしここ数年、そんな自分に限界を感じるようになった。

人の言っていることが分からない。
もっと人の言っていることを分かりたい。

四十を過ぎてやっとそんな気持ちになったのである。遅い。あまりにも遅い。
勉強が足りない人は、人を理解できない、人に理解してもらえない。人と交わることができない。幸せになれない…かもしれない!?

人を理解したい。人に理解されたい。人を愛したい。自分を取り巻くすべてを理解したい、愛したい。

それってもしかして…勉強したい!?

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もったいない

2013年01月14日 | 受験・学校

新成人の方とその関係者のみなさま、おめでとうございます。

昨日成人式が行われたところが多かったみたいですね。ジュクチョが夜のニュースを見ていたら、偶然新成人の中に過去の塾生の姿を見つけました。

立派になってますね。(あたりまえか^^;)

塾の場合、たいていの塾生が成人を迎える前に卒業してしまうので、直接関係ないものなんですが、とにかくまあ、そういうのってうれしいものですよ。

勉強の成果が本格的に現れるのは成人してからでしょう。

え!もう入試は終わったから勉強も卒業したって?

ダメダメ!何言っているんですか!

そんなこという人はたいてい、本当に「勉強といえる勉強」をしていない人だと思います。

要するに、試験のために「勉強らしきこと」をやっただけですよ。そういうふうに点数を取るための勉強にとらわれすぎると、勉強の本来の意味を見失います。

「本来の意味」って何???

パソコンや携帯電話にたとえてみましょう。

点数を取るための勉強は、パソコンや携帯の操作を覚えるのに似ています。機械などを使って何かをしたいときに、どうすればその答えが出るのか、早く正確に答えにたどり着くためにはマニュアルを読んだり試行錯誤したりしながら努力を積み重ねる必要があります。それには深い理解と熟練を要します。それだけでも貴重な技能ですよ。そして、そういう技能は勉強に似たところがあります。だからどちらもテストして点数化され、他人から評価されるのです。

しかし、パソコンや携帯は技能を獲得するためにあるわけではないですよね。

もうお分かりでしょう。

パソコンや携帯を上手に扱えるようになったからといって、それでおしまいにしてもう使わないんですか?同様に勉強もおしまいなんですか?

もったいないもったいない。

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敵?味方?

2012年11月29日 | 受験・学校

「合格を目指してしっかり勉強しましょう!」

このセリフ、この仕事を始めてから一体何度使ったことだろう。

はっきりとした目標を掲げ、それに向かって努力するとき、人間は大きな力を発揮する。そういう意味でのこのセリフはたいていの場合、多くの子どもとその保護者たちに受け入れられるはずだと思っている。

しかし、ときにふと、予期しないタイミングで、別の自分がどこからともなく現れて、こう言って去っていく。

「勉強は合格するためにするものなのかい?」

気分が盛り上がってきているときに水を差しに来て、沈んでいるときには励ましに来てくれる、この別の自分。

みなさんの周りにはそんな別のあなたがいますか?

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