いきもの散歩

近所の自然観察、飼育している川魚の記録

外来系統のコイ

2018年11月28日 | 魚類







池で撮影したコイ。もちろん在来種のコイではない。


日記 - 湿地帯中毒
コイは日本にも在来の集団がいましたが、最近の研究では在来ゴイはほぼ琵琶湖にしか残っておらず、国内他地域でみられるほぼすべてのコイが中国大陸やヨーロッパのコイの遺伝的特徴をもった改良品種のコイ(いわゆるヤマトゴイやニシキゴイ)の系統、すなわち外来系統であることが明らかになっています。この改良品種のコイは養殖がしやすいため、一般的に入手できる「コイ」はほぼ100%外来系統のコイと言えます(見た目が黒であっても)。また、日本の在来系統(琵琶湖産)のコイと一般的な外来系統のコイは遺伝子が明瞭に異なるのみならず、形態でも区別可能であることから、分類学的には別種として扱うことが妥当であると考えられています。すなわち放流されるコイは満場一致で外来生物であるということです。



コイ在来型(琵琶湖)
外見上、在来型は外来型に比べ、①体高が低い、②断面が丸っこい(外来型は側扁)、③頭長が短い、④ひれが短い、⑤背びれが前方に位置する、⑥眼径が大きい、⑦尾柄部が細い、⑧尾柄部が急に尻すぼみとならない、⑨背びれ軟条数が多い(19-23。外来型は16-22)、⑩尾びれの先端が尖っている、⑪体色は金色を帯び、⑫側線鱗数が少ない、等の相違があるとされます(古川優『鯉の品種に関する研究(第3報)』滋賀県水産試験場研究報告第4号 昭和28年 など)。実用的には、丸太のように丸くて長いのがコイ在来型です。


そもそも自分は在来ゴイを見たことがあるのだろうか。記憶にない。唯一、井の頭公園自然文化園の水生物館で展示されていたコイにその可能性があると思い、写真で振り返ってみた。

コイとワタカ(右の2匹), 2015.04, 井の頭公園自然文化園・水生物館

しかし、在来ゴイの展示を謳っているわけではなく、形態的にも外来型といった感じだった。
どこかで手っ取り早く在来ゴイを見れないだろうか。今年の春に相模川ふれあい科学館で「鯉の知らない世界」という企画が催され、在来ゴイが展示されていた。これに行くべきだったと今、後悔している。


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