暑さで目覚めた入り盆の朝。
昨夜の深酒が重い頭と身体から抜けきれていない。
ぼ~とする意識で、冷たい水だしの珈琲を啜る。
いつもの喫茶店で飲む常習からミルクと甘味料を入れてしまい
やはりブラックがよかったなと後悔をする。
珈琲を飲むと本が読みたくなる。
虚ろに追う活字はカフェインと共に
ゆっくりと意識に流れ込んでくる。
傍らのザルに投げ込まれた収穫野菜。
茄子を一本取り上げてみる。
今日はお盆の入り。
キュウリの馬と茄子の牛でご先祖様をお迎えする日。
長い茄子を見て「これでは茄子もキュウリも馬ではないか」と
ひとりごちて可笑しくなる。