ふるさとは遠きにありて思ふもの
そして悲しくうたふもの
よしや
うらぶれて異土の乞食となるとても
帰るところにあるまじや
ひとり都のゆふぐれに
ふるさとおもひ涙ぐむ
そのこころもて
遠きみやこにかへらばや
遠きみやこにかへらばや
室井犀星「小景異情ーその二」より
今や遠くの故郷も思い立てば
あっという間に帰れるようになりました。
しかし、これは距離や時間ではないのでしょう。
故郷に背を向けた時に誓った想いが
帰る道を閉ざしている者もいるんでしょう。
故郷は何があろうと戻る人を待っています。
帰れるその日を・・・。