かなり、遅ればせながら・・・。
あけましておめでとうございます。
久しぶりのブログ更新です。
ネタは貯まっているんですけどね。
今年一発目の修理ネタは、良くあるインチキ?修理についてです。
ミニは、ご存知の通り!?フロントの足回り、特にハブベアリングの磨耗によるガタが多いです。
これは、巷では材質の強度不足とか言われていたりしますが私的には「組み方が悪い」が主な原因な気がします。メーカーが最初に組んだ訳だからそんな事ありえないと普通は思いますよね?
しかし、ちょっとした事の差で耐久性に大きな差が出てしまうんですよね。この差は企業秘密なので(笑)この場ではお答えしませんが。
話をもどしまして、なぜ?ミニのハブベアリングからガタがでるのか?(フロントがドラムの車は凄く長持ちするので、ここではフロントディスク車のみのお話です。)
一言でいえば「ベアリングの磨耗」です。
これが、ミニのハブベアリングです。テーパーローラーベアリングというタイプで普通のベアリングはパチンコ玉のようなまん丸の金属の球が使用されています。
ミニに限らず、足回りの軸受けで負担の大きいところはこのタイプが多く使用されています。
右下の大きなリングに右上のローラーの組み込まれた部品を左上の様に差し込んで使います。
写真を良く見てみると解るように、このベアリングはテーパーしてます。だからテーパーローラーベアリングという名称。
左下の「小さいリング」は?と申しますと
こんな感じに、向かい合わせで使用するベアリングの間に挟んで使用します。
上の部品と下の部品を写真の状態だと上下に「適度な圧力」を掛けて使用します。
結構なトルクで圧力を掛けるんですが、ベアリングには「適度な圧力」しか掛かりません。なぜかと申しますと、さっきの「小さいリング」があるので「小さいリング」の厚み以上はベアリングに「過度な圧力」掛かりません。
ベアリングが磨耗してくると、この「小さいリング」がある為にベアリングに「適度な圧力」が掛からなくなる為にガタが出てきてしまうんですね。
ガタがある状態で、使用すればベアリングが熱をもったりして破損の危険性もありますし、ハンドリングも低下します。ひどい場合はこれから書きますが、いろんな高額な部品を駄目にしてしまいます。
じゃ~どう修理するか?ベアリングの交換です。それ以外の修理法は存在しません。ベアリングは磨耗して寿命を迎えた訳ですからね。
しかし!
これを部品代を一切掛けずに直してしまう?お店が後を絶ちません。
先ほども出てきました「小さいリング」を削ってしまえば、またベアリングに「適度な圧力」が掛かるではないか!と考える様です。
当店は、絶対にこんな修理はしません。(修理とも呼びませんが、、、。)
なぜこの様な修理をやらないか?の理由ははっきりしてます。
1.磨耗したベアリングは精度が落ちています。仮に「適度な圧力」で組み直せたとしても片磨耗したベアリングでの耐久性と安全性が確保できないので。
2.「適度な圧力」を片磨耗したベアリングに掛けられるように、「小さいリング」の厚さを変更するなんて不可能だから。
少しでも、「小さいリング」の厚さが厚ければガタが出ますし、薄ければガタは消えますがベアリングが焼きつきます。
お待たせしました。
これが噂の「小さいリング」です。
左が新品です。真ん中と右が、加工されたものです。
ぱっと見た感じ、解りませんね。
拡大するとこんな感じ。
左が新品、右か加工品。
新品は角が面取りされていますが、加工品は面取りされていません。旋盤で削ったままです。
「こんなもんかな?」と適当に加工された物です。
この不良ベアリングが組み込まれたオーナーからは、足回りから物凄い異音があるとの事でした。
その場でジャッキアップして足回りのガタを点検したものの、異常なし。
バラしてみないと解りませんが、多分上記の様な事だと思います。と説明させて頂き分解しました。
予想通り、「小さいリング」が加工されていてベアリングが焼きついてベアリングがスムーズに回転できない為、ベアリングとドライブシャフトの間で回転していました。だから、金属同士が擦れる音がして物凄い異音を発生していた訳です。
上が、磨耗してしまったドライブシャフト。下が、正常なドライブシャフト。
磨耗してしまったドライブシャフト。
拡大すると段付き磨耗しているのが解って頂けると思います。
こうなってしまっては、新品のベアリングに交換してもベアリングのセンターが出ないので直ぐに再度ベアリングが駄目になります。
ベアリングを抑えつけている部品「ハブフランジ」
こちらも、激しく段付き磨耗です。これも、使用できません。
こちらが、正常な「ハブフランジ」
正常は状態は段付きも無く綺麗ですね。
最初にハブベアリングにガタがあった時に、ベアリングを交換していればココまでの酷くはならなかったと思います。ベアリングだけで済んだと思います。
このベアリングのお客様には、当店がストックしてあるコンディション良好な中古品のドライブシャフトとハブフランジを使用してシッカリ修理させて頂きました。ドライブシャフトとハブフランジは高額部品であるので出来るだけ中古で対応させて頂いております。
この様な修理に発展しない為にも、ガタがあったら早めに修理に出して下さいませ。放置しても、良くなることはありませんので。
スタッドレスにするとか、オイル交換で持ち上げるとか、タイヤを浮かせた状態にするときはタイヤを上下にゆすってガタを点検してみて下さい。
ガタがある場合は、ハブベアリングによる物、グリスアップをするボールジョイントによる物の2つの原因が殆どで、どちらかの異常か?両方か?はなかなかオーナー様に判断は難しいと思いますので信用のできる専門店に相談して下さいね。
最初に行った修理は、ハブベアリングのガタを無くすだけの修理。
修理というか「対処」ですね。
根本的な、原因がハブベアリング磨耗とハッキリしているのにも関わらず、手間を惜しんだり利益率の追求でこの様な修理が行われる訳です。
当店は、お客様と永くお付き合い出来ればと思っていますので「納車時に正常なら、後はどうでもいいや。」という修理は絶対にいたしません。
一度、見積もりを出させて頂いて、どうしても予算が厳しければ修理する順番や方法を相談&提案させて頂き最大限に永く乗れる方法を考えたいと思います。
一人で切り盛りしている小さなお店ですので、不在の場合がございます。来店の際は電話またはメールにて問い合わせ頂けると幸いです。
★★★当店は、販売ではなく整備&修理、車検、カスタム&ドレスアップ、チューニング、板金レストアなど技術に特化したお店でございますので、個人売買、他店購入車、大歓迎でございます。実際の常連様の多くは他店で購入されたお客様ですのでお気軽にご来店して下さい。
ちなみに川と雪山と犬をこよなく愛する方も大歓迎でございます。
問い合わせ先
ガレーヂ ジャム デザイン
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携帯 090-2751-6970(こっちが一番確実です。)
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