柔道日本 不振のまま最終日へ。という見出しで、「ロンドンオリンピックの柔道は、2日までに12階級の競技を終えて、日本の金メダルは女子57キロ級の松本薫選手の1つのみにとどまっています。こうした不振について、男子代表の篠原信一監督は、《対戦相手の研究をやりきれなかったところがあった》と、外国人選手の対策が不十分だったことを理由の一つに挙げました」とマスコミが報じていますが、果たしてそうだろうかと思います。
試合をテレビで見ていて、少しも面白くないのです。それは、組み手争いばかりして、有利な体制にならなければ攻撃しないというような試合運びで、柔道本来の試合になっていないように感じるのです。どうも日本の選手も外国選手と同じになっているように思います。攻撃をしないのですから勝てるわけがありません。攻撃に攻撃を重ね、それで逆技をかけられてもいいではありませんか。篠原信一監督の「対戦相手の研究をやりきれなかったところがあった」なんて以ての外。柔道というのは、「柔は剛を制す」という言葉があるように、相手にどのような不利な体勢になったとしても、それを逆手に取って投げ飛ばすことが醍醐味なのに、ポイントを取ることが優先で、本来の「1本を取る」勢いが全く感じられないのです。もし、路上で暴漢に襲われたとしたら、臨機応変に対処するはずです。敢えて相手を有利な体勢にさせ、それを跳ね返す技を身に付けて欲しいと思います。要は、横綱らしい柔道。講道館を創立した嘉納治五郎の精神に帰るべきではないでしょうか。