過去の今日の出来事etSETOraですヨ(=^◇^=)

過去の今日の円谷プロダクション中心の特撮作品だヨ(=^◇^=)

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①┃ 『All of Anne ひし美ゆり子写真集』 ┃大型本
 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛中古品の出品:15¥ 11,654より
 2003(平成15)年12月?日(?) 円谷プロダクション (監修) P.127 出版社: ジェネオンエンタテインメント
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②┃ 『All of Anne :plus ひし美ゆり子写真集』 ┃大型本<復刊版>
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 2013(平成25)年2月23日(土) ひし美ゆり子 (著) ¥ 4,725 P.128 復刊ドットコム
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 ①http://www.amazon.co.jp/dp/4894527634 ②http://www.amazon.co.jp/dp/4835449193
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 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━┓┌─―――――――┐
①┃ ここが変だよ!『怪奇大作戦』 ┃|第24話:狂鬼人間|
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 SRIが一芝居うつシーン。 デート中のさー坊が、クルマにはねられる。 さー坊を殺したノム(実はウソ)に怒り狂う牧さん・・ このふたつの設定は、まあわかる。 公園や病院の廊下なら、どこかで冴子が見てるかも知れないし、 視聴者もそんな気にさせられる。 だが、しかーし! いくらなんでも、手術室で死ぬ演技までしなくていーんじゃ ないの??いくら冴子でもオペ中の現場にまで入れないって! アイキャッチ前の、ノムのニヤリはいい感じだけど、 そのシーンのどこかで、密かに影から見守る冴子のカットを 入れて欲しかったなあ。シルエットでもいいから。 そしたら、さー坊の「ガクッ」も、ちょっとは救われたんじゃ ないかなーと(笑)(タコラ) 
 牧が警官に捕まるシーンで、後ろの学生風の男二人が爆笑してる所が、いい感じでした。(ito) 
 演技で一つだけ「おかしいなー」と思ったのがあります。  それは、狂鬼人間の最後の方で冴子を追いかける的矢所長の走り方です。多分、冴子の歩調や演技のタイミングを合わせるのに仕方がなかったのかもしれませんが、どう見ても足踏みしているようにしか見えなかったです。それを必死に追いかけているというのを演じている的矢所長の表情と(加減して)走っているギャップが面白かったです。(まさお) 
 何回見ても、牧のウインクは気持ち悪いですぅ本当の、欠番の理由はこれでは?!(^^;;(ito) 
 美川冴子の作った「脳波変調機」ですが、最初の犯罪がネグリジェの女としたら、いつ実験したんだ?(人体実験を)モルモットとかじゃ狂ったかどうかわからないし、2~3ヶ月で元に戻ったかなんてわからないし。あるいは狂いっ放しかも知れないし。目盛りを最大にすれば永久用と言う事も知っているし。どこかで「氷の死刑台」みたいに実験用人間を調達してきたのだろうか?(まあ、美川冴子ならやりかねないが)(狂喜人間(岡山))
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②┃ 『怪奇大作戦』第24話「狂鬼人間」の欠番について ┃
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 ┌─―┐深夜の鉄道構内で、白いネグリジェを着た女が自分を捨てた元恋人をダガーナイフで刺し殺すという事件が発生
 |内容|逮捕された犯人は鑑定の結果、重度の精神異常と判断され、1968年(昭和43年)当時の刑法第39条第1項
 └─―┘「心神喪失者ノ行為ハ之ヲ罰セス」[27]、つまり「心神喪失者は殺人を犯しても罰せられない」[28]の規定により起訴されずに終わった事件を始めに、同様、かつ、犯人はみな異常な早さで精神病院(当時の呼び方)を退院するという不可解な事件が続発した。町田警部とSRIはそれらの殺人犯が何らかの方法で一時的に精神異常状態になっていたのではと考え捜査を開始した。その後、退院した女は今度は恋人を奪った女性をねらって再び殺人を犯したが、今度は精神異常ではなかった犯人の供述から、事件の裏に「夫と子を、殺人歴のある精神異常者に殺害されたが、犯人は今回も無罪となった」という過去を持ち、優秀な脳科学者だった夫の開発した「脳波変調機」を改造して、心神喪失者を野放しにする社会に復讐しようとする脳科学者、"狂わせ屋"こと美川冴子(演:姫ゆり子)がいることが判明する。SRIは、牧とさおり、野村による囮捜査を行うが、冴子にそれを見抜かれてしまい、牧は脳波変調機にかけられてしまう。狂人と化した牧は往来で拳銃を乱射しながら野村を追い回し、危うく殺人犯になりかけるのだが…。なお、牧史郎役の岸田森もこの『狂鬼人間』に相当入れ込んで制作に臨んでおり、岸田の当時の自宅(東京都港区瑞聖寺の境内にあった)も撮影に使用されている。最初の構想では三沢が主役であったが、勝呂誉のスケジュールの空きが半日しかないことが判明したため、台本は主役を牧に変更して1969年1月16日に印刷された。さらにシナリオでは牧の恋人を轢き殺した男の役は三沢で、絶体絶命の三沢を救うのが野村となっていたのが、勝呂の多忙により完成作品ではそれぞれ野村と制服警官に変更されている。同話の台本は、現在のところ決定稿(タイトルは「狂気人間」)しか確認されていない。[29]
 ┌─――┐公式な欠番理由は不明であり、この問題に関しては、2004年発行の『封印作品の謎』安藤健二、太田出版で
 |欠番後|も取材が行われたが、その経緯や理由に於ける有力な情報はほとんど得られなかった。
 └─――┘ただし、LDーBOX回収事件前までは欠番などでは無く、各放送局側による自主規制での未放送・音声カットであり、各出版物の放送リストには何事も無く載っていた。この話を扱った非公式の出版物では「精神異常者の描写に問題があるため」「差別用語が頻発するため」などが理由として挙げられることもあるが、いずれも推測の域を出ていない。過去、1980年代にはビデオソフトやLDにて発売されたことはあるが、絶版のため現在は入手困難。1988年(昭和63年)にバンダイビジュアルから発売された「怪奇大作戦 実相寺昭雄監督作品集」(VHS)には、映像特典としてナレーション付の「狂鬼人間」予告編が収録されている。その後、バンダイビジュアルの子会社であるビームエンタテイメントから1995年(平成7年)に第24話を含む全話収録のLDボックス『怪奇大作戦パーフェクトコレクション』の発売告知が出たが、発売日当日(正確には前日夜中)に発売元から、販売中止・即時返送指示が販売店へ出されたため(CD・DVDなどは発売前日までに販売店へ配送・到着していることが多い)名目上は市場に出回らないまま廃盤となった。これを最後に、以降のビデオソフトの再発売やDVDでは、この第24話は収録されていない。なお、1990年(平成2年)に勁文社から発売された、歴代の特撮番組の怪獣・怪人を収録した書籍『全怪獣怪人』の上巻には、「狂鬼人間」の紹介が写真付きでされている。2002年(平成14年)に勁文社が倒産後、翌2003年(平成15年)に発売:英知出版、販売:インフォレストから発売された増補改訂版である『全怪獣怪人大事典』にも項目が残っている。 またメディアファクトリー刊『空想法律読本2』では法律考証の題材として本編が採り上げられている。本の中では劇中の容疑者らが本来罪を問われないような心神喪失状態であったと仮定した上で、「明確な殺意を持ち、自らの意志で脳波変調器を使用したこと」を重視して「原因において自由な行為」にあたるした。つまり刑法第39条が適用されず殺人事件として扱われると指摘している。また、冴子に関しては共同正犯となる可能性を指摘している。2006年(平成18年)1月から7月にかけて東京MXテレビの「円谷劇場」枠で本番組の再放送が行われた。5月中旬に発売された一部のテレビ情報誌において、6月27日の放送予定欄に第24話「狂鬼人間」のサブタイトルが記され、また、5月29日に更新された東京MXテレビ公式ウェブサイト内の本番組のページの6月の放送予定を掲載した「今月の放送あらすじ」において、第24話のあらすじに加えて画像までが掲載された。しかし同サイトの当該記述は翌日削除され、6月27日には他番組が放送された。このような事態に至った原因は公表されていない。
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 ①http://www.ucatv.ne.jp/~rydeen/SRI/vote/index.html
 ②http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%80%AA%E5%A5%87%E5%A4%A7%E4%BD%9C%E6%88%A6#.E7.AC.AC24.E8.A9.B1.E3.80.8E.E7.8B.82.E9.AC.BC.E4.BA.BA.E9.96.93.E3.80.8F.E3.81.AE.E6.AC.A0.E7.95.AA.E3.81.AB.E3.81.A4.E3.81.84.E3.81.A6
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第24話 「狂鬼人間」~あらすじ~
 人気のない深夜の線路脇。ネグリジェ一枚のみを羽織った女性が、怪しげな足取りで歩いてゆく。やがて一組のカップルを見つけると、髪を振り乱し、この世のものとは思えぬ形相でカップルに襲い掛かる。そして、男の体に刃を突き立てた。
 女は鮮血で真っ赤に染まった両の手を見つめ、歪んだような甲高い笑い声をあげた。その悪夢のような叫びは、いつまでも闇の中でこだまするのだった…。
 刑法第39条  心神喪失者ノ行為ハ之ヲ罰セス
 失恋した女性が、自分を捨てた男性に凶刃を向ける。一見、痴情のもつれを原因とするどこにでもありそうな殺人事件…しかし、それは決して普通の殺人事件ではなかった。なぜならば、件の女性は殺人を犯したにもかかわらず、何の刑にも処されることなく大手を振ってお日様の下を歩いているからだ。
 事件発生後に行われた精神鑑定の結果、女性は犯行当時に心神喪失の状態にあったと判断され、無罪の判決が下った。ところが不思議なことに、彼女は精神病院に収容されていた2ヶ月の間で事件前と変わらぬ精神状態に戻り、そのまま社会復帰が許されたのであった。
 重度の精神患者が、それほど簡単に回復することなどありえない。だが、同様の事件が本件を含めて都合7件も発生していた。この事件の背後には何かがある…そう考えた牧が例の女性を尾けていると、とある洋装店の店主・美川冴子の存在が浮かび上がった。
 「狂わせ屋」
 美川冴子は、裏でそう呼ばれていた。冴子は殺したいほど憎い相手がいる人物を見つけると、自分が開発した機械を使って精神異常の状態になれば殺人を犯しても刑法第39条によって刑は免れる、そう彼らに囁くのだという。
 かつて冴子は夫と共に脳波の研究に携わり、一子をもうけて地味ながらも幸せな家庭を築いていた。だがある日、夫と子供は暴漢によって惨殺された。その暴漢は精神鑑定の結果、心神喪失の状態にあったとして無罪になった。最愛の人の命を奪った者が刑に処されない、そんな日本の社会に復讐するため、冴子は「狂わせ屋」を始めたのであった。
 その実態をつかもうと囮捜査をかって出た牧は恋人に死なれた男性の役を演じ、上首尾のうちに冴子との接触に成功する。だが、冴子は全てがSRIの仕業であることを見抜いていた。罠にはまった牧は冴子の手によって精神を崩壊され、辺りかまわず襲撃を繰り返す狂人に変わり果てたのであった…。 
~作品に一言二言~
 「ウルトラセブン」に幻の第12話「遊星より愛をこめて」という作品が存在していたことをご存知でしょうか。公式の歴史からは抹消され、今では人々の目に触れることもなくなった作品…「怪奇大作戦」においてその幻の第12話に相当する作品が、この永久欠番となった第24話「狂鬼人間」です。
 現在では再放送はおろかソフト化すらも無理になってしまった理由、それは上のあらすじを読んでいただければ分かると思われます。
 正直、どう言い訳しようとも本作が登録抹消されてしまうのは止むを得ないことだと思います。ただ、物語の本質は刑法第39条に対する問題提起であり、決して差別的な表層の部分にあるわけではないでしょう。むろん、この紹介欄の文章も同様ですので、その点をご理解くださるようお願いいたします。
 http://www.geocities.jp/virginfleet/tokusatsu/kaiki/kaiki04.html

ビデオソフト類 [編集]
怪奇大作戦(ビデオカセット) 
1983年(昭和58年) 発売元:バンダイビジュアル 
『怪奇大作戦』初のソフト化。全8巻。順不同だが全話が収録された。欠番の「狂鬼人間」収録の巻には「現在では放送コードの関係で再放送不可能であり、ビデオならではの登場です」等とジャケットに解説が記載されており、1983年(昭和58年)当時から「狂鬼人間」は現在でのTV放送は無理という認識が発売元にあったことが分かるが、同時に『ビデオソフトは放送コードに影響されないもの』であるという見解だったことを伺うことが出来る。 1年後の1984年(昭和59年)に岡山放送で怪奇大作戦が再放送され、このときには一部をカットされながらも「狂鬼人間」も放送された。 

怪奇大作戦 実相寺昭雄監督作品集(ビデオカセット) 
1988年(昭和63年) 発売元:バンダイビジュアル 
実相寺昭雄監督作品4本を選抜収録したソフト。 
映像特典としてSEなし「散歩する首」などのラッシュフィルムとともに、ナレーション付の第7話「青い血の女」と第24話「狂鬼人間」予告編が収録されている。 

怪奇大作戦 恐怖人間スペシャル(LD) 
1991年(平成3年) 発売元:バンダイビジュアル 
全編から、怪人が主体の物語8話分を選抜収録したLD。欠番の「狂鬼人間」を収録している。ジャケットには「二度と手に入らないかも知れない」の見出しが付けられ、「狂鬼人間」に関して「今回の収録は円谷プロの勇気ある判断で実現しました」との断り書きがある。なお、「怪奇大作戦○○スペシャル」は好調に売れたため数度にわたって再生産が行われたが、4種類のLDのうち「恐怖人間スペシャル」のみ「二度と・・・・」と書かれた見出しが関係してるのかは不明だが、再生産は行わずに、小売店からの再注文には、僅かに各地の店頭に残っていた在庫を回収して、その枚数内のみ対応していたという。 

怪奇大作戦パーフェクト・コレクション(LD) 
1995年(平成7年) 発売元:ビームエンタテイメント 
全話収録+購入特典付きLDボックス。発売当日に理由不明で発売中止・回収された。後日「音声不良」と説明される。一部小売店が発売元からの返送指示を無視して販売したため、現在も中古市場でLDとしても高額のレートで流通している。回収の真相は専ら「狂鬼人間」収録に関する何らかのトラブルというゴシップが主流だが、親会社のバンダイビジュアルは、2年前には既に「狂鬼人間」を収録していた先代LDソフト「怪奇大作戦 恐怖人間スペシャル」を多数の小売店からの強い追加注文に対しても再生産をしなかったにもかかわらず、当LDボックス発売の半年ほど前に別商品付属のアンケートハガキで「もし怪奇大作戦の全話収録LDが出るとしたら買いますか」といった意味深な質問を掲載していたことや、商品製造段階での収録(現在の生産システムでは誤って収録するなどと言うことはあり得ない)そしてリリースに先駆けて“全話収録”を明示した広告を子会社のビームからとは言え告示していたことから、内情は不明ながらも「狂鬼人間」の再リリースが順調に運んでいたことが分かる。しかしそこまでことを進めた商品が、発売当日のタイミングで突然回収された不可解さがさまざまな憶測を呼んだ。なお、この作品の監督である満田は、あらゆる取材に対しても一切事情を黙秘している。 

怪奇大作戦 ベストファイル(ビデオカセット) 
1996年(平成8年) 発売元:ビームエンタテイメント 
LDボックス回収騒動の翌年に発売された新版ソフト。全8巻。「狂鬼人間」と最終回「ゆきおんな」が割愛された。 

デジタルウルトラシリーズ 怪奇大作戦(DVD) 
2004年(平成16年) 発売元:ビクターエンタテインメント 
初のDVD商品。全6巻。「狂鬼人間」のみ未収録。

円谷プロ創立50周年記念 復刻 円谷TV ドラマライブラリー 怪奇大作戦DVD-BOX(DVD) 
2012年(平成24年) 販売元:東映ビデオ 例によって第24話「狂鬼人間」は未収録。 
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%80%AA%E5%A5%87%E5%A4%A7%E4%BD%9C%E6%88%A6#.E3.83.93.E3.83.87.E3.82.AA.E3.82.BD.E3.83.95.E3.83.88.E9.A1.9E

●放送禁止 欠番作品の王様 第24話『狂鬼人間』
 ’99年、森田芳光監督が制作した『39』は、刑法39条の例の“心神喪失者ノ行為ハ之ヲ罰セズ”という机上の空論に対する極めて高い問題意識とそれを自分の問題として手繰り寄せる体力で一級のエンタテインメントに仕上げた力作である。
 この刑法39条は、行政上、被害者救済上、何らの対策も講じられていないという問題が放置されたままの、法律としては極めて欠陥の多い規定である。悪法であると断言してもいい。
 ところがこの作品と同じテーマに実に30年前に挑んだテレビ ドラマがあったのだ。しかも日曜の夜、7時のゴールデン タイムに子供向け番組の枠内で。『怪奇大作戦/第24話 狂鬼人間』がそれである。
 コマーシャルを除けばランニング タイムは23分強。その短時間の中で子供にも理解できるような番組作りを目指せば、畢竟、内容は短絡的かつ刺激的になる。結局、狂鬼人間(詳細は後述するが、要は人工キチガイ)を作り出す行為そのものが、ドラマのセンセーショナルな核となる。興味本位の描写になるのは当然のことで、いわば狂鬼人間は、仮面ライダーの怪人やウルトラマンの怪獣と同じ意味合いで登場する。
 しかし、だからこそこの作品では人権問題を逃げ道にせず、あいまいで抽象的な議論に陥ることもなく、ダイレクトに問題の本質が剥き出しになっている感じがする。“ヒトを殺すことは悪いことである”という正に子供でも分かる絶対倫理が通用しないケースを生み出す法律上の矛盾は、子供心にも大きな疑問を呼び起こしたに違いない。作品では町田警部が、“人殺しがなぜ、罪に問えないんだ!” と始終憤っているが、この演出ですら当時としても、かなり行き過ぎの観はあるが、一方で真理なのだ。
 そんなわけで、物語は放送禁止の問題発言連発で、現在この作品はウルトラセブンの『第12話 遊星より愛をこめて』と並ぶ円谷作品・最大の欠番扱いとなり、放送はモチロン、ソフト、出版物の類、それに関する記述等々含めて全て廃盤、絶版、廃棄、再発・再録不可となっている。
 ただ、この作品はその表現方法に相当な不備があるとしても、提示された問題意識や企画の着眼点が非常に今日的な視点を持っており、十分、評価できるものだと思う。できれば、『怪奇大作戦 NOW』とでも銘打って、90分くらいの劇場用作品としてキチンとリメイクしてもらいたいくらいだ。実際、勝呂誉は『怪奇大作戦大全』(01年刊 双葉社)のインタヴューで的矢所長の役で『怪奇大作戦』をリメイクしてみたいと語っている。その企画が実現するのであればまず、この作品にチャレンジしてもらいたいものだ。
 さて以下は朝日ソノラマ ファンタスティックコレクションNo.31『フィルム ストーリー ブック SFドラマのすばらしき世界~ウルトラQ&怪奇大作戦』(監修 円谷プロダクション ’83/この書籍の記事はおそらく第一稿を元に起こされたものと思われ、冒頭のシーンが本編とは異なっている)、朝日ソノラマ『ヴィジュアルSF世代の雑誌 宇宙船 No.60~61/ウルトラの星を見た男たち』(作 満田カズホ ’92)を基礎資料として書き進める。まずは、この稀代のストーリーの再録から…
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 深夜、貨物列車の操車場。白いネグリジェを着た女性が誰かを追っている。手にはナイフが無気味に光る。若い男女がはしゃぎながらレールの上を渡って行く。恋人同士だろうか、幸せそうだ。ネグリジェの女に追われているのは、どうやらこの二人のようだ。ネグリジェの女は、若い男に追いつくと、次の瞬間、女のナイフが深々と若者の身体を貫き、白いネグリジェが鮮血に染まった。ネグリジェの女は血に染まった自分の手を見ながら声を出して笑う。まるで精神異常者だ。
 狂人による殺人事件が続発し、町田警部は頭をかかえた。刑法39条によって、“心神喪失者ノ行為ハ之ヲ罰セズ”と規定されており、精神鑑定によっても、全員が完全な狂人だったのである。
 ところが、奇妙なことに、数ヶ月で犯人の狂人は正常な人間となり、病院を退院した。全員がそうであり、罪を問えない町田警部としては歯がみするばかりであった。
 そこで町田警部は、SRIに協力を頼み、SRIはそのターゲットとして、ネグリジェの女・ユキ子を尾行する。ある日、ユキ子はフラワー洋品店の美人経営者、美川冴子に何事かを哀願していた。
 再び殺人を犯したユキ子だが、今度は正常で、件の美川冴子が脳波変調機を使って人間を一時的な精神異常者にする“狂わせ屋”であることを自白した。
 証拠を握るため、牧は自らその囮となって美川冴子への接近を図る。
 フィアンセ(SRIの美人秘書・小川さおりの変装)をスポーツカーに乗った若者(野村の変装)に轢き殺され、悲嘆に暮れる牧(という芝居)に、助力を申し出た美川冴子は、自身の暗い過去を語った……
 かつて将来を期待される優秀な科学者の夫と共に脳波の研究に打ち込んでいた彼女は、親子三人で幸せな生活を営んでいた。しかし、突然家へ入ってきた精神異常者によって、夫と子供は惨殺され、家は焼き払われた…… そしてその犯人は精神異常のために罪さえ問われなかったのだ。その日から冴子は、精神異常者が野放しになっているこの世の中に、復讐することを誓った。
 町田警部はトラックに乗せられる牧を尾行するが、たちまち尾行は振り切られてしまう。実は牧が囮であることはすでに見破られていたのだ。そうとも知らず、機械の前に横たわる牧の脳には、刻々と異常脳波が送り込まれていく。「思う存分、あなたの仲間を殺すことね、SRIの牧さん!」 身動きがとれず、意識のうすれていく牧は、美川冴子が拳銃に弾をつめていくのを見た……
 牧は拳銃を放ちながら、野村を追っていた。それは正に狂人の姿であり、つまずいて転倒した野村に牧の拳銃がピタリと向けられた。物陰でそれを見ている美川冴子は冷笑する。しかし、間一髪、駆けつけた的矢、町田警部達に牧は取り押さえられ、失敗を知った冴子は、逃亡を開始する。しかし、追いつめられ、逃げられないと知った彼女は、トラックに逃げ込み、脳波変調機を頭にかぶると、最大の目盛りで装置を作動させた。
 幸い牧は正常を取り戻し、SRIには、また明るさが戻った。しかし、最大目盛りで狂人となった美川冴子は、永遠の狂人となり、今日も虚ろな目を宙空に投げかけ、空を見上げ続けるだけであった。彼女はもはや、誰にも捕まえられない世界へと旅立ったのだ。
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 冒頭の金融業者殺害事件のエピソードで、イギー・ポップばりの肉体美を誇り、日本刀を振り回す(正に戦後最大の放送禁止用語“キチガイに刃物”)大村千吉こそ、狂鬼人間のイメージそのものだ。このオヒト、東宝の怪獣映画では常連端役として印象深い役者サンであるが、必見の爆笑名場面は、阿蘇の火口に落ちた帽子を200円のお駄賃で拾いに行ってラドンの餌食になる『三大怪獣 地上最大の決戦』である。ここでの大村千吉の台詞は、“うるせぇっ キチガイ 黙ってろ” という素晴らしいもの!(爆笑)
 『狂鬼人間』 は、23分強の中で無理に無理を重ねて制作された関係上、エピソード全体至るところが子供だましで、実にもったいないエピソードである。脳波変調機や狂わせ屋の存在はまぁ、設定としてそういうものがあるのだ と納得しないと話が前に進まないから仕方ないとしても、以下の三点は実際かなりキツイ(笑)
1 正式な精神鑑定で無罪になるほどのキチガイが、キチンと自分の目標とする相手だけを殺せるはずがない 
2 脳波変調機でキチガイにされたとはいえ、牧に野村を殺そうとする動機はない 
3 脳波変調機でキチガイにされた牧が美川冴子の横でおとなしく座っていて、美川の命令をキチンと実行するのはおかしい
 実際、刑法39条ほど、法律家が机上の空論を駆使してデッチあげたに等しい不条理満点の法律はない。劇中この脳波変調機を指して、完全犯罪製造マシーンなんて呼んでいたが、実際の事件では、設定ほどパーフェクトなキチガイでなくても十分、無罪判決が出ている。
 例えば、まだまだ記憶に新しい’01年6月に起こった大阪 池田小学校児童殺傷事件(事件記事/筆者のコラム)の宅間容疑者。“大きな犯罪を起こして死刑になりたかった”とか“身内にこんなヤツがいると世間に知らしめることで、家族に嫌がらせをしたかった”と実に理路整然たる(怒)犯行動機を彼は述べているのだ。しかし、今のところ無罪になる可能性が極めて高いとも聞く。
 勝呂誉の“人殺しをして無罪になるほどのキチガイが治ることなんてありえない”といった台詞や的矢所長の“日本ほど精神異常者が野放しになっている国はないんだから、政府も、もうすこし考えてもらわないと” というドラマを締めくくる台詞は強烈な問題発言だが、同時に真理でもある。
 ここで言う真理とは、人々の中で正しい・真であると判断されることがらを指す。多くの人々はキチガイに人権なんて認めないし、本音の部分ではキチガイなんて自分の視野・一般生活からは排除して暮らしたいと思っている。ましてキチガイ(未成年の犯罪もキチガイと同じレベルで無罪)の被害にあったら、“それは実に運が悪かった”と諦める以外、精神衛生上、健全な対処のしようがない現行法や行政のレベルでは、なおさらそうであろう。
 かつてキチガイは座敷牢などに閉じ込められ、キチガイの出た家はそれをひた隠しにした。“キチガイは遺伝性のものである”との風評があったからだ。ある意味、そうした閉じた村社会的な考え方、問題解決の方法は正しかったと言わざるを得ない。そもそも、人権や社会的弱者保護といった考え方は、文明が発達することでシステムとしての社会が成熟し、システムが人々を余裕を持って養っていけるだけの体力を擁した時、初めて芽生えるものである。逆にシステムにまだ十分な余裕も体力もなかった頃、人々はそれを文化という生活の知恵でしのぐしかなかった。例えばそれは前述の座敷牢であったり、姥捨てであったりしたのだ。こうしたシステムの持つ余裕のレベルと人権のレベルは実にシンクロしている。
 『怪奇大作戦』の背景となる昭和40年代は、テクノロジーの急速な進歩によって、こうしたシステムが余裕といったレベルをはるかに越え、人間のあり方までを規定し、人間を歯車化していく過渡期であるともいえる。この文化からテクノロジー(文明)への過渡期、村が都市へと変貌して行く過渡期、人権を獲得する代わりに人間性を手放していく過渡期、人間それ自体ではなく人権という概念こそが最優先される過渡期… その矛盾が犯罪という形に結実し、一気に噴出した時代だったのだ。
 文明はキチガイという存在を、人権という化け物をデッチ上げる事で、排除の対象とせず、社会的な余裕を示すためのバロメーターと位置づけた。そこではキチガイの被害者が生きていればいかに社会的に有用な人物であったか?といった考察は一切なされずに、単なる死者としてその人権は剥奪され、一方はっきり言えば生きていても何の役にも立たないキチガイの人権の方を、ただ単に生きているから、またそうすることで成熟した社会というステータスを獲得できるからという理由で、最優先に考えたのだ。人権とは正に生きている人間にのみ認められる権利であり、同時に成熟した社会であるための最大のプロパガンダなのだ。
 その意味で刑法39条は、法律家が人々の感情や社会のあり方を一切無視し、現実から切り離され、一人歩きを始めた単なる空想の産物でしかない人権という化け物に相応しい理想郷の建設に邁進した結果なのである。文明というシステムはファジーな要素を一切認めず、杓子定規に物事を判断して、積極的に人権を擁護し、その一方で人間を殺傷し始めたのである。
(02/05/19)
<有効資料>
怪奇大作戦第24話 『恐鬼人間』
① 宇宙船Vol.60(朝日ソノラマ)
「ウルトラの星を見た男たち」第8回/4ページにわたって怪奇大作戦『狂鬼人間』の撮影秘話、ストーリーの紹介、スチルを掲載。満田氏は『狂鬼人間』『ウルトラセブン』最終回、等々の監督。彼だからこそ書ける読み応え十分の内容である。文章でここまで“狂鬼人間”に迫った内容は他にはない。
② 朝日ソノラマファンタステックコレクションVol.14または31
『フィルム ストーリー ブック SFドラマのすばらしき世界~ウルトラQ&怪奇大作戦』
狂鬼人間の記述があるが。初稿をもとに起こされたストーリーは実際とやや違い、正確さを欠いている
③ コアマガジン社バーストマニアックス Vol.2
消された逸話と題して『恐鬼人間』『遊星より愛を込めて』の記事
④ BUBUKA創刊号’97年3月号
宅八郎による放送事故の特集記事
⑤ DVD&ビデオ探偵団 Vol.1 ’02年5月号
『幻のフィルムを追え!/闇に埋もれた特撮ビデオ』と題して、円谷プロへの提案という形で放送禁止問題を取り上げている。屋上屋を架す内容でしかないが、21世紀に入り、このような特集が一般誌に普通に取り上げられるようになったのは良い傾向である。
http://www.occn.zaq.ne.jp/momokun/kaikidaisakusen/KAIKIDAISAKUSEN/24.htm

≪『怪奇大作戦』の欠番「狂鬼人間」…≫
★『怪奇大作戦』と言えば何年か前にふらりと立ち寄ったレンタルビデオ屋に現在、テレビ放映&販売禁止にもなっている「狂鬼人間」の回(現在この回は、欠番)が入ったビデオを偶然にも発見し、感動しながら見まくった事などもありました…。…で、この欠番回に関しまして、当HP内の「もう一度見たいっ!懐エピ」のコーナー内で、この「狂鬼人間」のお話を詳しくHP検証紹介しておりますので、是非!アクセスしてみてくださいネ…。ちなみに『怪奇大作戦』の放映されていた同時期に、『ゲゲゲの鬼太郎(昭和43年1月~44年3月)』、『河童の三平・妖怪大作戦(昭和43年10月~44年3月)』、『妖怪人間ベム(昭和43年10月~44年3月)』、etc…怪奇・妖怪番組の名作がたくさんあった事も付け加えておきます…。
http://www.geocities.jp/kindanhm/kaiki.html

怪奇大作戦・第24話 狂鬼人間 
1969/2/25放映 
脚本:山浦弘靖・監督:満田かずほ
 ある夜、一人の男が女から逃げ惑っていた・・・・薄ら笑いを浮かべながら、自分を捨てた恋人を追い詰め殺害する女・・・・・・その精神は異常を来たしており、逮捕されたものの精神異常と鑑定され精神病院に入院。・・・・・・しかし、わずか数ヶ月で正常に戻り退院していた。その退院の様子を苦々しい目で見ていた町田警部。カリカリしている町田の元へやってきた牧は、事件のことについて町田と話し始める。このところ同じような事件が連続していて、それが町田を悩ませていたいたのだ。精神異常者による殺人事件の続発・・・・犯人は逮捕後精神鑑定を受け精神異常と認定されるが、ほんの数ヶ月の治療で正常に戻り、退院していくのだ。“刑法第39条 心神喪失者ノ行為ハ之ヲ罰セズ”により心神喪失中の犯行は、これを裁くことが出来ない。しかし、殺人を犯すほどに狂った心であればそう簡単に治るわけがない!裏に何かあるのか?町田が言うように「SRIが探りを入れている」からには普通の事件ではないような気がする・・・・・・。
  そしてまたも立て続けに精神異常者による殺人が二件起きた!
 「くそぉ!いくら相手がキチガイでも、6つだ!6つもの命が奪われたんだぞ!」
  いきり立つ町田となだめるSRI。キチガイが伝染するのか?そんなバカな!だとすれば何かの方法により一時的に精神異常の状態にする手段があるのか?現実にその「狂わせ屋」が存在するのか?
  一連の事件に裏があると睨んだ町田は、犯人の一人・ゆき子を尾行させていた。ゆき子はある洋服店に入り、そこの女主人と言い争っていたが、すぐに追い出されてしまった。その晩、ゆき子はまたも殺人を犯し逮捕される。知らせを受け、警察へ急ぐ牧と的矢。精神異常による犯行を装っているが、精神鑑定の結果は異常なし。狂ったふりをして再犯に及んだのだ。町田は叫ぶ。
 「今回は刑法第39条は通用せんよ。今度はお前を刑法第199条で裁いてやる!故意に人を殺したものは死刑だ!!」(正しくは「人を殺した者は、死刑又は無期若しくは3年以上の懲役に処する」ですが)
  泣き崩れるゆき子・・・・・・だが、ゆき子の証言から「狂わせ屋」の実態が明らかになる。特殊な装置により一時的に精神錯乱の状態にすることが可能な装置は、“ある女”が持っていた。前回の犯行の前、恋人にふられ自殺を図ったゆき子が、死ねずに運ばれた病院にその女“美川冴子”が現れたこと。そして冴子に復讐を勧められ、冴子の持つ装置で一時的な狂人になり犯行に及んだこと・・・・・
「狂わせ屋」は復讐を望むものに近付く・・・・・・美川冴子に近付くため、SRIは一芝居打つことになった。
  牧が囮となり“銀行員・山本英二”を装い、さおり扮する婚約者と公園でデートをしていた。デートの最中、そこへ突っ込んで来た暴走車(運転していた暴走族?青年に扮するは野村)がさおりを跳ねる!病院へかつぎ込まれるさおりだが、手当ての甲斐なく死んでしまう(もちろん実際は生きているが)。怒った山本(牧)は、病院で不遜な態度の運転者の青年(野村)につかみかかる。
  そして作戦通り美川冴子が現れた!
  死んだ婚約者の墓参り中の山本(牧)の前に現れた冴子は、婚約者を失ってからの山本の「父の形見の拳銃を手に仇の青年を付け回している」などの“復讐を示唆する行動”を見ていたかのように話し(全て“SRIの作戦”で牧が行動)、その男に復讐しろと言ってきた(「まさかあなたは警察では!」とワザとらしく演技する牧・・・笑)
  山本(牧)に自分の過去を話し始める冴子・・・・・・・・冴子の夫は世界的な脳波研究の権威で、かつては冴子と二人で“日本のキュリー夫妻”などと言われていた。子供もいて、親子3人で幸せな家庭を築いていたのだが・・・・ある日、家に忍び込んできた狂人によって夫と子供は無残にも殺害されてしまった・・・・・・しかし、逮捕された犯人は精神鑑定の結果、精神異常と認められ“刑法第39条”によって無罪となった。狂人であれば人を殺しても無罪・・・・・・・そんなバカな話があるのか!この不条理な社会に復讐するため、冴子は夫の残した研究を元に脳波変調機を開発したのだった・・・・・・・・・・・
 牧はSRIへ連絡を取り、復讐をする日時を伝えた。今回の話を的矢に伝えるが「逆にこっちが乗せられた感じですよ」と、冴子への同情の念から複雑な気持ちでいた・・・・
 万が一の際、野村の命を守るため「復讐の道具」である拳銃(南部14式!)から弾を抜く牧・・・・・・・
 復讐の決行の期日、脳波変調機を積んだトラックで移動する冴子と山本(牧)町田警部の車が尾行しているが、踏み切りで引っかかり見失ってしまう・・・・言われるままに機械をセットされる山本(牧)だったが、冴子は突然「場所を変更した」と言い出す。密かに探りを入れていた冴子は、山本がSRIの牧であることを知っていたのだ!必死に説得しようとする牧だが、体を拘束され身動きが出来ない!脳波変調機のレベルが上げられ、牧は狂気の中へと向かっていく・・・・・・・・!
  正気を失った牧に実弾を込めた拳銃を渡す冴子。現場に着いた牧は、何を知らない野村を発砲しながら追い回す(「はははは、ノム、待てよぉ」と狂気の笑いを浮かべながら追い回す牧!)命からがら逃げ惑う野村、ついに追い詰められたかと思ったとき、牧は警官に押さえつけられる。的矢所長とさおりは冴子を追うが、追い詰められた冴子は自ら脳波変調機を使い、それを最大レベルで作動させた。悲鳴を聞いて的矢達が駆けつけたとき、冴子の精神は完全に壊れていた・・・・・・
 SRI本部、正気に戻った牧は野村に深く詫びる。的矢は今回の事件を振り返る。刑法第39条「心神喪失者ノ行為ハ之ヲ罰セズ」・・・・・・正に、この法律に振り回された事件だった。
的矢 「(脳波変調機を指して)言ってみれば完全犯罪製造機。日本のように精神異常者が野放しになっている国はないのだから、政府ももっと考えてくれなくちゃね」 
さおり 「所長、美川冴子はもう直らないんでしょうか?」 
的矢 「ああ、あれだけ急にショックを与えたからな」 
さおり 「じゃあもう、ずーっと狂ったまま・・・・?」 
的矢 「一生、一生狂ったままだろう・・・・・・」 
牧は一人ぼんやりとした表情で外を外を見ていた。精神病院に収容された美川冴子は、独房の中、うつろな表情で歌っている。
「♪か~ら~す~、なぜ鳴くの~、からすはや~ま~に~・・・・・・・・キャァァァァァァl!!」(冴子の悲鳴と重なるように始まるEDテーマのイントロ・・・・・・・)
「遊星より愛をこめて」と並ぶ円谷問題作で、現在は公開禁止のエピソードです。10年前に怪奇大作戦がNHK-BS2で再放送された時はやはりカットされましたが、問題はその後の1995年末のことでした。年末の目玉商品としてビーム・エンタテインメントが発売した全話入りLD-BOX「怪奇大作戦・パーフェクトコレクション」が、詳細はわかりませんが、この「狂鬼人間」エピソードが収録されていることが原因で、発売直後に回収となる前代未聞の事態が起きました。販売店側としては、予約者に対しては販売し、フリー分を返品という形をとったようなのですが、実際にはこの回収騒ぎを聞き付けたマニアが店頭分を買いに漁った為、結構な数が回収されずに販売されたようです。この回収騒ぎ、どこかからクレームが付いた事は確かなようですが、詳細は今もってよくわかりません。以後この24話は「無かった事」として闇に葬られ、最近の書籍では放映リストからも抹消されているようです。そのためか、前述のLD-BOXや、それ以前にバンダイビジュアルから発売されたLD単品やミニボックスは中古市場で異常高値を呼び、特にLD-BOXに関しては、発売時定価の倍近い10万円を超える価格が付けられることも珍しくないようです。
問題は、この「狂鬼人間」が怪奇大作戦を語る上では外せないエピソードで、23話「呪いの壺」25話「京都買います」と合わせて「終盤の傑作3本立て」の一つだということです。
他の傑作エピソードと同じく、現代にも通じる内容はいまだ色褪せる事はありません。多くは言いませんが、多くの方が仰られているように、このエピソードを封印してしまおうという風潮自体が余程危険な気がします。
とにかく、見られる機会があったら一度でも見てみることをお奨めします(もっとも、その前に他のエピソードで「怪奇大作戦の予習」をしてから見ることが前提ですが・・・・・・)
●ちょっと見所 ⇒ 有名な話ですが、日本刀もって質屋に押し込む狂った男を演じるのは、特撮作品では名バイプレイヤーとして有名な大村千吉氏です。“本当に狂っている”としか思えない迫真の演技が素晴らしすぎます。あと意外な事に「怪奇大作戦」の中で満田監督が演じたのはこの一本だけなんですね。それから、山場の「狂った牧が発砲しながらノムを追い回すシーン」に使われたのは実際の町ではなく、銀座の町を模した東宝撮影所のセットだということです。
 http://www.geocities.jp/u_himitu/koredakehamiyou.htm#kyoukininngenn

故・金城哲夫氏
1938年7月5日、沖縄県島尻郡南風原町出身の脚本家。
那覇高校の受験に失敗。上京して玉川学園高等部、玉川大学文学部教育学科卒業。
恩師である上原輝男氏の影響を受け、脚本に興味を持ち始めます。
一度帰郷し映画のシナリオを執筆。
上原氏の紹介で円谷英二氏と出会い、1963年円谷プロに入社。
『ウルトラQ』『ウルトラマン』『ウルトラセブン』のメインライターとして手腕を発揮し、作品の高い完成度に大きく貢献をいたしました。 
このエピソードはテレビ番組で知ったのですが、1967年当時、まだ本土での沖縄の人への偏見のようなものが今では信じられないほどあったそうで、そのことに悩み続けられたことがあったそうです。
同じ沖縄出身で親友の脚本家・上原正三氏のお話によると「彼は明るい性格だから、そのような態度は一度も見せたことが無い」と話されております。気持ちを表に出されなかったのだと思います。
他の脚本家へのアドバイスをされたり、撮影の現場へ遊びに行くということも多かったそうで、『ウルトラセブン』の「零下140度の対決」ではアンヌ隊員に介護される気を失った地球防衛軍の隊員役でゲスト出演されております。 
『ウルトラセブン』最終回執筆後、円谷プロ製作の『マイティジャック』『怪奇大作戦』『快獣ブースカ』を手掛けますが、これらは『ウルトラ』シリーズに比べ視聴率が低迷。経営状況が悪化した円谷プロは大幅なリストラをすることになり、1969年、円谷プロを退社。故郷の沖縄に戻られラジオパーソナリティーや沖縄芝居の脚本、演出などを手掛けますが、すべてが『ウルトラ』シリーズと比較され、残念ながら評価は芳しいものではありませんでした。
1976年2月23日、泥酔した状態で自宅2階の仕事場へ直接入ろうとした際足をすべらせ転落。直ちに病院へ搬送されましたが、治療の甲斐なく、3日後の26日、脳挫傷のため死去。37歳という若さでした。

『ウルトラセブン』の最終回、「史上最大の侵略(後編)」は日本テレビ番組史上最高の最終回との呼び声も高い名作です。
第2の故郷である地球の平和を守るため、命を削り、そして愛するアンヌ隊員に別れを告げて故郷M78星雲へ帰っていくウルトラセブン。
本土を愛しながら周囲の冷たい視線に悩みながら、それでも明るく振る舞い、作品製作へ情熱を注いでくれ、そして生まれ故郷である沖縄へ戻り、2度と東京世田谷の円谷プロへは戻ってこなかった金城先生。
最終回、セブンが空を飛んで去っていく姿がどうしても金城先生のお姿とダブって見えて仕方ありません。
金城先生がいらしたからこそ、『ウルトラQ』、『ウルトラマン』、そして『ウルトラセブン』がここまで愛される作品になったのは間違いありません。
今では、もう沖縄の人たちへの偏見など存在しない世の中になりました。
これには天国の金城先生も喜ばれているはずです。 
最高の作品を、そして最高の感動を我々に与えてくださった偉大なる名脚本家・金城哲夫氏。
敬意をこめて、心から感謝の言葉を述べたいと思います。
「ありがとうございました。先生は僕たちのヒーローです!」
 主題歌♪流れる http://blogs.yahoo.co.jp/lasttangoinnk/13920922.html

コメント  金城と手塚治虫とジョンレノン
これらの巨人3人には、共通点がある。 
1.発表当時は馬鹿な子供若者向けとして扱われていた作品を創ったが、いつのまにか、文化としての評価を受けるようになったこと。 
2.その評価は、往々にして、サヨクに利用されかねない危険性のあるものであること(金城は既述だが、ヒューマニズムとしての手塚作品、愛と平和のジョンレノン等) 
3.現在の様々な表現活動に影響を与えていること。 
4.全員、既にこの世にいないこと。 
5.全員、大東亜戦争と因縁があること。(手塚治虫も、金城と同じく、復帰直後の海洋博にプロデューサーとして関わっている。ひょっとしたら、二人は沖縄で会って、話しているかも?また、大阪空襲で経験した米軍に虐殺された日本人の死体の山の目撃はかなり手塚に影響したという話も会ったと思う。ジョンは命日が開戦日。まあ、これはこじつけ)
何が言いたいかというと、自虐史観を広めたいサヨクこそが、金城を矮小化しているのではないかということ。サヨクが利用する「善悪の相対化」というのは、価値観の転覆による「センスオブワンダー」を重要な要素とする、SFの基本属性そのものだ。そういうSFのコアなセンスを、SFファンでも無いのに、子供向け番組で表現し、高視聴率番組を作った金城の天才。(金城が、小松左京とか、SF業界と付き合いがあまりなかったという前提だが、、)決して、沖縄人とか言う、せまい観点では見てはいけないと思う。そもそも、沖縄に関わるサヨクは、日本弱体化のために内部分裂を誘うという、諜報工作活動の基本を忠実に実行しているだけだろう。沖縄こそ、本来の日本の言葉が残っているというのは有名な話だ。場合によっては、小林よしのりが「沖縄論」で結論づけているように、オリジナルの日本が残る沖縄に、日本を同化せよ、そして、回帰させよ、 という意見は説得力を持つ。ただし、やはり、本土とは異なった風土、文化等を持つ沖縄出身だからこそ、金城は、 客観的な視点を獲得できたんだろう。 金城は、沖縄に帰ったあと、本土復帰した沖縄には米軍の代わりに自衛隊を配置すればいいと言って、当時の沖縄サヨクマスゴミから総攻撃にあったという話も読んだことがあるが、こうしたサヨクによる日本言論支配は、今でも残っていて、いや、ますます激しくなっているような気がする。ああ、こんなことを書いていると、日本人言論思想統制委員会に消されるかな? 未だに公に核保有の議論すらできない日本の言論統制状態、金城の答えは、ウルトラセブンにおける核保有と自己防衛だったんだろう。死後30年経っても、サヨクに利用される金城の悲劇。。。。。。。。。。。。
2008/12/28(日) 21:38:10 | URL | 古 #B7q/.fmY [ 編集 ] 
http://takenami1967.blog64.fc2.com/blog-entry-41.html

脚本家の金城哲夫氏は、玉川大学在学中から円谷英二氏の知己を得て、関沢新一氏に師事してシナリオを学びました。27歳という若さで、円谷プロ企画室長の名のもとに、「ウルトラQ」の企画を進め、以後、「ウルトラマン」、「快獣ブースカ」、「ウルトラセブン」、「マイティジャック」、「怪奇大作戦」と、一連の円谷作品の実質的なプロダクション・プロデューサーを務めました。また、番組のラスト数分に特撮アクションを用意して、そこに物語を絞り込むという時代劇的ファーマットをヒーローものに定着させたのは、彼が初めてでした。セブン終了の翌69年、故郷沖縄に帰郷し、後には海洋博覧会の演出等を手がけましたが、76年、自宅2階から墜落し、亡くなりました。37歳の若さでした。「金城さんは円谷プロの企画室長という立場だった。僕らはよく文芸部と呼んでいましたが、そこでまだ新人の市川森一ほか多士済々のライターたちにホンを発注し、金城さんがとりまとめて栫井さん(注:TBSプロデューサー)に"こういうのはどうだろう"と提案して、栫井さんが採用するかどうか判断するという形でした。金城さんは市川森一をはじめ、佐々木守、山浦弘靖、山田正弘、若槻文三、そして最近は小説家になってしまった藤川桂介…と、たいへんなメンバーを育てたのです。上原正三は、故郷の沖縄の後輩で金城さんを頼って上京したんですね。金ちゃんについていろいろ勉強して、上原も後々すごい活躍をした」(※8、飯島敏宏:談)金城哲夫氏の描くエンターテイメントは、一言でいうと、ファンタジーやメルヘンの彩りを添えられた現実への挑戦がテーマです。金城氏は、子供向けの夢物語なんだから、そんな悲壮な現実への思いを描いても仕様がないじゃないか…とは、考えなかったのです。むしろ、これから難題にぶつかりつつ、その一つひとつをクリアしながら大人に向かって成長してゆく子供向けの番組だからこそ、逃げや誤魔化しはしないで、真正面からどうにもならない現実を描いて見せたとは考えられないでしょうか。しかし、悲しいかな…、実質25分という尺では、十分に伝わりきれない部分も多々あったようです。
その部分を補う技法が、効果的な(時には唐突な)ナレーションの挿入だったのです。
直球勝負の金城脚本もTBSの制作担当プロデューサーが代わると、人間模様への踏み込みが甘いのではないかと指摘されはじめます。すなわち、ウルトラ警備隊員の行動ひとつをとっても、侵略宇宙人や怪獣に対して闇雲に対抗するのではなく、正義感や使命感といったモチベーションが描かれなくてはならないのでは…?というところです。直球勝負の金城脚本では、この部分は、そういうものであるというお約束にされていたのです。ですから、隊長が「突撃!」と言えば、隊員は何の感情も出さずに「はいっ!」と答えていたのです。ここから、シリーズプランナー兼脚本家、金城哲夫の産みの苦しみが始まるのです。そして、そのひとつの回答が、#42「ノンマルトの使者」だったと思います。
http://www2.u-netsurf.ne.jp/~okhr/sight7/page25.htm

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