中島 正さんの『自給農業の始め方』を読みました。耕作放棄地が増える中、新規就農者が自給農業を始めてくれることを期待します。大規模経営ばかりが農業の将来のあり方といわれる中、過疎地に入って自給農業を行うことは勇気がいりますが、都会でホームレスになりそうな青年には希望を与えるものです。小川の流れをを利用して発電もやったらいいと思います。家畜のふんを利用して燃料を作ることも可能です。学齢期の子供が通学するのは難しいかもしれませんが、それは行政に任せるしかありません。
日本農業が政府の無策によって衰退の一途をたどっていますが、井上ひさしの農業講座をよんで安心しました。農業は産業ではありますが国民の食と健康を守り、洪水防止や土壌流失を防ぐ働きをしており、公共財として税金で支えることが必要と述べています。多くの評論家が競争力のある農業を育てよと大型化を説いていますが、日本のような国土の8割以上が山で、わずかな平地に多くの住宅が隣接しているところではアメリカやオーストラリアのような大規模化はできません。狭い水田を丁寧に耕している零細農業を守る姿勢こそ大切です。警察や消防、公立学校などと同様、農業についてももっと税金を投入して補助し、農業で生活できるようにすれば農業の活性化ができるはずです。欧米の政府はそれを当然のようにやってきています。