気が付くとフウちゃんは暖かい部屋の毛布にくるまっていました
そこはさっきの二本足、オジサンの家でした
オジサンは奥さんとおばあちゃん、そしてシマリスのポポロと暮らしています
そこの寝室のベッドに体を綺麗にふかれ、横倒させたのでした
オジサンはもうこの猫は死ぬんだと思い、最後位はいくら何でも雨の中では可哀想だという事で家迄運んだのでした
しかしフウは命の力が残っていました
体は傷だらけで痩せ細ってはいましたが若かったせいもあり、なんとか食事はできました
オジサンは子供の頃、猫と暮らした事が何度かあって、お産の手伝いをした事も何度かありました
その頃の記憶を思い出し思い出し、看病を続けると段々元気になって来ました
ただ、お腹の調子だけが中々良くならないのでオジサンは病院に連れて行く事にしました
フウちゃんは人間に捨てられこそすれ、いじめられた事はなかったので人には手も足も決して爪を立てません
その事がわかったオジサンは抱いて車で病院に連れて行きました
病院に着くと、そこの看護婦さんは不思議な顔をしていました
犬ならともかく、普通猫は暴れるのでケージに入れて来るようです