第1戦同様短い時間で失点を重ね、今季ルヴァンカップ終戦。
序盤の入りは、第1戦同様良かったが、10分以降は次第に広島が攻勢となり、東俊希、大橋、松本と絶好機が続いて、広島のペースへ。ただ、荒木隼人がディエゴ・オリヴェイラと交錯した際に負傷し、34分に交代を余儀なくされると、FC東京にもビッグチャンスが到来。39分にペナルティエリアでディエゴ・オリヴェイラのパスを受けた安斎が中へ折り返した際に、飛び出してきたGK川浪と接触。広島DFにクリアされたが、GK川浪の脚がアフターで安斎の脚に入っており、PKとなっても可笑しくないプレイだったが、笛は鳴らず。FC東京はその後も徳元のロングスロー、CKと広島のゴール前に攻め込んだが、活かすことはできず。アディショナルタイムに入り、広島はピエロス・ソティリウ、FC東京は中村と惜しいシュートを放つが、ともにネットを揺らせず。その後も東俊希が絶好機を迎えたが、GK波多野が弾き出すなど、広島の波状攻撃が続いたが、FC東京はなんとかスコアレスドローで前半を終えた。
無失点で凌いでいたFC東京だが、53分に越道のクロスを東俊希がシュートし、DFに当たったこぼれ球を加藤が流し込んで失点すると、僅か2分後に左サイドの裏への浮き球パスを収めて駆け上がった加藤が、中で並走する大橋へパス。大橋のシュートはGK波多野の正面だったが、波多野は止め切ることができずにボールはゴールマウスへ入り、第1戦と同じように立て続けの失点でゲームを自ら難しくしてしまった。
FC東京は原川、野澤零温をピッチへ投入して流れを変えようとするも、68分に塩谷から森重の裏への浮き球パスを受けた加藤が、エリア内で森重を切り返してフリーとなり、難なくゴール。2戦通算で5対1となり、少なくとも4得点を奪わないと同点にはならず、勝敗をほぼ決することになった。
とにかく得点を重ねるしかないFC東京は、74分に尾谷、岡、東慶悟と3枚替え。エゼキエウのシュートや広島の前からのプレスに苦しむが、77分に左サイドの野澤零温からのクロスを尾谷が頭で決めて1点。さらにディエゴ・オリヴェイラの持ち上がりから左サイドの野澤零温へパスを送ると、野澤零温が折り返したところをフリーの原川がシュートを放つも枠外。絶好機だったが、勢いを加速させるまでには至らず。広島の連勝で、FC東京の今季のルヴァンカップは終戦を迎えた。
日本代表に長友、U-23代表に野澤大志ブランドン、荒木、松木、バングーナガンデ(負傷)など所属選手が代表に召集され、第1戦でドウグラス・ヴィエイラの肘打ちを受けて鼻骨などを骨折した木本をはじめ怪我人が多く、一気に台所事情が苦しくなったFC東京ではあるが、それ以前にゴールを奪うことに注力できなかったのは、大いに猛省すべきところ。リーグではこれまで決定力の高さだけで勝ち点を積み上げてきたが、いまやチームの核となっているU-23代表組の穴を埋めるまでのチーム力はなかった。そして、シーズン当初から課題となっていた守備力に改善が見られないのも、今後に向かって非常に不安なところ。ワンタッチパスやダイレクトプレーは意識していたと思われるが、アタッキングサード以降やラストパスでは精度を欠き、広島にショートカウンターを喰らう場面が散見。これから蒸し暑くなり、疲労も重なりやすい時期になるにつれ、その精度がさらに落ちると推測されるゆえ、決定力が低下し、守備が修正できないままだと、リーグの順位も一気に下降しかねない。
次は中2日でミッドウィークのナイトゲーム、天皇杯となる。相手はJFLのヴィアティン三重と下位カテゴリーとなるが、三重は直近のリーグ戦でJFLの“門番”ことHonda FCに快勝しており、油断は禁物だ。そもそもFC東京は昨年は熊本に、2022年は長崎に、2021年は順天堂大学に、2019年は甲府に、2018年は山形に、2017年は長野にと、2017年以来下位カテゴリーに敗戦を喫し続けている。U-19日本代表に召集されていた佐藤龍之介はクラブ事情で日本代表を離脱させるなど非常に厳しいチーム状況ではあるが、勝利ほどの良薬はない。とにかくがむしゃらに90分を走り切り、結果を出して、リーグ戦へ繋げたい。
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JリーグYBCルヴァンカップ プレーオフラウンド 第2戦
2024年6月9日(日)18:33KO
エディオンピースウイング広島
入場者数:17,924人
天候:曇一時雨 / 気温:22.4℃ / 湿度:68%
主審:飯田淳平
副審:武田光晴、西村幹也
第4の審判員:川俣 秀
広 島 3(0-0 / 3-1)1 FC東京
【得点】
(広):加藤陸次樹(53分)、大橋祐紀(55分)、加藤陸次樹(68分)
(東):尾谷ディヴァインチネドゥ(77分)
〈試合経過〉
28分 警告 広島 佐々木翔
34分 交代 広島 荒木隼人 → 越道草太
50分 警告 広島 ピエロス・ソティリウ
53分 得点 広島 加藤陸次樹
55分 得点 広島 大橋祐紀
62分 交代 東京 中村帆高 → 原川 力 / 安斎颯馬 → 野澤零温
68分 得点 広島 加藤陸次樹
71分 交代 広島 ピエロス・ソティリウ → ドウグラス・ヴィエイラ / 大橋祐紀 → エゼキエウ
74分 交代 東京 仲川輝人 → 尾谷ディヴァインチネドゥ / エンリケ・トレヴィザン → 岡 哲平 / 俵積田晃太 → 東 慶悟
77分 得点 東京 尾谷ディヴァインチネドゥ
87分 交代 広島 塩谷 司 → 志知孝明 / 加藤陸次樹 → 満田 誠
89分 警告 東京 野澤零温
【FC東京メンバー】
〈スターティングメンバー〉
GK 13 波多野豪
DF 02 中村帆高
DF 03 森重真人
DF 44 エンリケ・トレヴィザン
DF 43 徳元悠平
MF 08 高 宇洋
MF 37 小泉 慶
MF 39 仲川輝人
FW 09 ディエゴ・オリヴェイラ
FW 33 俵積田晃太
FW 38 安斎颯馬
〈控えメンバー〉
GK 01 児玉 剛
DF 30 岡 哲平
DF 53 永野修都
MF 10 東 慶悟
MF 40 原川 力
MF 54 中野裕唯
FW 28 野澤零温
FW 52 浅田琉偉
FW 55 尾谷ディヴァインチネドゥ
〈監督〉
ピーター・クラモフスキー
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【Jリーグ YBCルヴァンカップ FC東京試合日程】
〈1stラウンド〉
2回戦 2024年04月17日(水)19:00〇FC東京 4-0 YS横浜(A・ニッパツ)
3回戦 2024年05月22日(水)19:00〇FC東京 1-1(PK5-4)鳥 栖(A・駅スタ)
〈プレーオフラウンド〉
第1戦 2024年06月05日(水)19:00✕FC東京 1-2 広 島(H・味スタ)
第2戦 2024年06月09日(日)18:30✕FC東京 1-3 広 島(A・Eピース)
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