J2リーグは第37節を終え、FC東京の昇格と優勝が決定した。J1昇格への3位以内には残り2枠だが、大量の得失点差によって鳥栖がほぼ2位を確定した。すなわち、J1昇格への残り1枠をかけて、3位の札幌と4位の徳島が争う展開となった。
ひとまず、現在の上位5位まで順位を確認してみることにしよう。
1位 FC東京 77(23/08/06/66/20)+46 ★
2位 鳥栖 68(19/11/07/66/32)+34
3位 札幌 65(20/05/12/47/31)+16
4位 徳島 65(19/08/10/51/37)+14
5位 東京V 58(16/10/11/67/43)+24
★昇格決定
2位鳥栖と3位札幌、4位徳島との勝点差はともに3で、最終節で鳥栖が負けて札幌と徳島が勝てば、3チームともに勝点が68で並ぶ。だが、鳥栖と札幌、徳島の得失点差はそれぞれ18、20で、鳥栖が20点近くの大量失点をしない限り2位は揺るがない。よって、鳥栖は事実上の昇格を決めたといえる。
そうなると、3つ目の枠は札幌と徳島との一騎打ちだ。勝点はともに65で、得失点差はそれぞれ16、14と僅かその差は2しかない。昇格の条件としては、相手と異なる結果であった場合は、相手より勝ち点をより多く積み重ねたチームが3位となり昇格を決めることになる。札幌が勝って徳島が引き分けか負けると札幌が3位になり、徳島が勝って札幌が引き分けか負けると徳島が3位となる。
ともに引き分けた場合は両者に勝点が1ずつ加わるだけで得失点差は増減しないため、3位札幌と4位徳島という順位も変動なく、そのまま上位の札幌が昇格圏内の3位となる。
問題はともにどちらも勝つかどちらも負けるかした場合だ。
札幌と徳島がともに勝利した場合、またともに負けた場合は、その得失点差が大きくものをいってくる。現在下位の徳島は、札幌より上に行くためには札幌よりも少なくとも2得点差多く点数を獲らなければ3位には上がれない。たとえば、札幌が1-0で勝利し、徳島が2-0で勝利の場合は、どちらも勝点3を積み上げるものの、徳島は札幌との得失点差を1だけしか縮めたことにならず、得失点差僅か1の差で札幌に届かない結果となる。逆に、札幌が1-0で勝利し、徳島が4-0で勝利した場合、徳島は得失点差で札幌を1上回るため、徳島が3位となる。ともに敗れた場合も同様、札幌は徳島よりも2点差以上失点しなければ、札幌が得失点差で3位に留まる。
勝点、得失点差がともに並んだとすると、「得失点差まで同じとなった場合には総得点数が多い方が上位」となるため、現在総得点数が上の徳島が上位となるのだ。
ここで、両チームの最終節の対戦カードを見てみよう。
12/03(土)12:30 札幌×FC東京(札幌ドーム)
12/03(土)12:30 岡山×徳島 (カンスタ)
札幌は首位のFC東京とホームで対戦、徳島はアウェーで岡山と対戦する。札幌は首位のFC東京を相手にしなければならない。だが、FC東京は既に優勝と昇格を決めていて、負けても大勢に影響はない。そしてホームという地の利がある。一方、徳島は現在14位と中~下位に甘んじている岡山が相手。一見与し易いと思われがちだが、前回はホームで2-2のドロー。中・四国の戦いをアウェイでしなければならないという部分が影響するかもしれない。さらに、最終節は全試合ほぼ同時刻キックオフとなり、相手の試合結果を受けての戦術が出来ない。逐一ベンチには情報が入ってくるだろうが、基本姿勢としては勝ちにいかなくてはならないのだ。先制点を奪えるか、戦術は?交代は? さまざまな要素が結果を右にも左にもしかねない戦いとなるのは必至だ。
FC東京という立場から見てみると、昇格&優勝を決めたからそれほど気張らなくていい……という試合では決してない。J2へ降格した屈辱をしっかりと胸に刻みつけ再びJ1で勝負するとなれば、最後はスッキリと勝って終わらなければならない。前回の札幌との試合ではホームでのスコアレスドローということもあり、リヴェンジも果さなければならない。さらには、まだ天皇杯奪取という目標が残っている。それにいい流れで繋げていくためにも、自分たちのサッカーをして勝利を手にすることは至上命題ともいえる。
札幌には東京サポーターにはなじみ深い近藤がいる。昨季は藤山も在籍、かつてはキャプテンの今野も所属していた。そういう意味では複雑な感情もあるかもしれないが、勝負の場では情けは無用。しっかりと勝点3を挙げて、リーグ戦の有終の美を飾ってもらいたい。

