
第95回天皇杯全日本サッカー選手権大会の決勝戦。東京元日決戦の会場はFC東京のホームスタジアム、味の素スタジアムだったが、FC東京は準々決勝で広島に敗れたためこの舞台へ足を踏み入れることは叶わなかった。FC東京のファン、サポーターにとってはある意味では“部外者”なこの試合に何故駆けつけたのか。
FC東京目線で言えば、浦和には加賀、G大阪には今野がいるから? いいや。違う違う、そうじゃ、そうじゃない。味スタで「青」と「赤」が集う試合に「青赤軍団」が行かない理由がないってことだ。(ドヤ顔)
というのは、後付けで、浦和、G大阪という真の意味で優勝争いをするチームの“勝者のメンタリティとは何ぞや”を体感するために謙虚に学びに来たわけだ。決して先に買っていたチケットが売りさばけなかったから、ではない(苦笑)。
完売となったこの試合、一部のG大阪側に駆けつけたい人たちが事前に決勝戦のチケットをFC東京や広島、鳥栖サポーターに対してSNS上などで“譲るのが当然”のようなやり取りもあったらしいが、まあ、気持ちは解からなくもない。気持ちは。ただな、言うとくけどな、自分の応援するチームが決勝戦に行くことを信じて、決勝戦のチケット発売当日に購入していないキミらがあかんのやで。それで席取られへん言うても、自業自得っちゅーこっちゃ。チケット欲しいんなら、謙虚にせな。(なぜか知ったかぶりの関西弁)
といいながらも実は、両隣と前後をガンパサポーターに囲まれて、さらにはいつもは東京のホーム側エリアをレッズの赤に染められて、この舞台に東京がいないのに正月早々寒いなか味スタに足を運んでしまっていた現実がむちゃくちゃ悔しかっただけ、ということも伝えておこう(涙)。
試合内容はなかなかのシーソーゲームで、観る者にとってはハラハラドキドキと楽しかったかもしれない。非常に高いレヴェルの試合かどうかというと、やや疑問なところがあるが。
シュート数でみると、浦和が20本に対してG大阪が9本と約倍の数を浦和が放っている。特に前半だけで13本。非常に惜しいシュートも何本かあった。ただ、そこで決めきれないところで、G大阪の決定力(=パトリック)に打ち負かされたというところか。G大阪は試合当初より浦和に押し込まれていた時間がかなり続いていたが、先制してからは攻守の時間が均等になっていた。
それと奮闘した選手と目立たなかった選手との差がくっきりと出た感じも。浦和では武藤が全体的にゲームに入れていなかったし、G大阪では宇佐美がやや期待外れとなってしまっていた。一方で、高木が投入されてからの浦和にはゴール前でのチャンスが増えていて、後半終了間際は浦和の攻勢が続いたが(ラストのエリア内でクリアしようとしたキム・ジョンヤが空振りしてあわやゴールかという場面もあったが)、東口を中心としてディフェンスの集中力を切らさなかったG大阪が凌ぎ切り、天皇杯を戴冠した。
やはり、ここぞという時の決定力や不利や防戦を打開する力(先制を許してもその数分後に同点に追いつく興梠のゴールなどは、まさにその典型的な例)、せめぎ合いでの闘争心、逆境を耐え抜く力をしっかりと持つだけでなく発揮出来るチームが、優勝争いをしているチームには強く存在している。それはまだFC東京には根付いていない部分だろう。技術とともにそれをどう植えつけていくかが2016年のFC東京には課せられていると思うし、大きな負担やプレッシャーとしてのしかかってくるはずだ。どのようにして歩みを進めて結果を出していくのか、厳しい姿勢で見守っていきたいと思う。
次回の天皇杯決勝こそFC東京が……と思ったら、どうやら次回の決勝は味スタではなくて、G大阪の新ホーム、吹田市立吹田サッカースタジアムらしい。ならば、今回の意趣返しで、G大阪のホームなのにFC東京が乗り込むという図式を目指そう。まあ、G大阪が決勝に進む可能性もあるけれども。しかも、吹田=(お腹が空いた)なら、“蝗”と呼ばれる東京サポーターにピッタリじゃないか(笑)。
最後にまとめると、パトリック級の外国人選手を補強してくれってことだな。うん。
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【天皇杯 決勝】
2016年01月01日/味の素スタジアム/14:15キックオフ
観衆:43,809人
天候:晴
気温:12.2度 湿度:20%
主審:村上伸次/副審:名木利幸、大塚晴弘
浦 和 1(1-1、0-1)2 G大阪
得点:
(浦):興梠慎三(36分)
(G):パトリック(32分)、パトリック(53分)
[浦和]
≪スターティングラインアップ≫
GK 01 西川周作
DF 46 森脇良太
DF 04 那須大亮
DF 05 槙野智章
MF 07 梅崎司 → 関根貴大(57分)
MF 16 青木拓矢
MF 22 阿部勇樹
MF 03 宇賀神友弥 → 高木俊幸(69分)
MF 30 興梠慎三
MF 19 武藤雄樹 → ズラタン(57分)
FW 20 李忠成
≪サブスティテューション≫
GK 15 大谷幸輝
DF 02 加賀健一
DF 27 茂木力也
DF 33 橋本和
MF 24 関根貴大
FW 21 ズラタン
FW 31 高木俊幸
≪マネージャー≫
ペトロヴィッチ
[G大阪]
≪スターティングラインアップ≫
GK 01 東口順昭
DF 14 米倉恒貴 → 井手口陽介(12分)
DF 05 丹羽大輝
DF 06 金正也(キム・ジョンヤ)
DF 04 藤春廣輝
MF 15 今野泰幸
MF 07 遠藤保仁
MF 13 阿部浩之
MF 39 宇佐美貴史 → 内田達也(76分)
MF 11 倉田秋
FW 29 パトリック → 長沢駿(88分)
≪サブスティテューション≫
GK 18 藤ヶ谷陽介
DF 35 初瀬亮
MF 10 二川孝広
MF 21 井手口陽介
MF 27 内田達也
FW 09 リンス
FW 20 長沢駿
≪マネージャー≫
長谷川健太
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【天皇杯】
4回戦 11月11日(水)〇 FC東京 2-0 水 戸(H・味スタ)
準々決 12月26日(土)× FC東京 2-1 広 島(H・長崎県立)
準決勝 12月29日(火) 広 島 0-3 G大阪(長居)
決 勝 01月01日(金) 浦 和 1-2 G大阪(味スタ)
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