
自分も投票に行きました。
それにしても、開票から1分で当確って何なんですかね。
何だか醒めてしまいます、そういうの。信憑性あるんですか。
毎回、何件か当確出し間違えたりするし。
TV番組のゴングショーみたいに、リアルタイムで開票結果がわかる方が面白いのに。
まぁ、今回はそんなことしなくても、石原慎太郎の圧勝でしたが。
石原慎太郎以外にマトモな候補がいなかったということ、なんだかんだで実績を挙げていることもありますが、
相変わらず、石原裕次郎の力もデカイってことですかね。
ブラザーのパワーはさすがだって感じですか。
そんな都知事選投票の帰りにフラッと中古CDショップに立ち寄り、購入したのが、
K-Ci&JoJo 『X』
でして。200円ナリ。
セドリックとジョエルのヘイリー兄弟の3作目です。
まぁ、冒頭の石原話とは、ブラザー繋がりってことで。(汗;)
ヘイリー兄弟、というよりはジョデシィ(JODECI)のメンバーといった方が早いですか。
このアルバム、3作目なのに“X(テン)”というタイトル。ローマ数字の10です。
というのは、ジョデシィが91年にデビューしてから10年目のアルバムという意味でネーミングしたとのこと。
活動停止からは解散話が持ち上がるジョデシィですが、“まだ続いているんだ、そしてこれからも…”という意味も含めて、K-Ci&JoJo名義のアルバムながらも、デビュー10年目の“X(=10)”というタイトルを冠したのだろう。
さて、このアルバムの第一印象だが、K-Ciの渋味あるヴォイスとJoJoのハイ・テナー・ヴォイスが、これでもかと炸裂していることに尽きる。そして、ムーディでディープなソウルが堪能できる作品集となっている。
テディ・ライリーが手掛けた「ウォナ・ドゥ・ユー・ライト(Wanna Do You Right)」は、K-Ciをリード・ヴォーカルにフィーチャーした泥臭さを感じるブルージィ・ソウル・ファンク。
ジョデシィのイメージが見え隠れしながらも、ヘイリー兄弟としての色を強調しようとした、ディヴァンテ作のバラード「ゲット・バック(Get Back)」、そして本作の1stシングル・カット曲で、JoJoのハイ・テナー・ヴォーカルが哀愁あるメロディアスなサウンド上で放たれる「クレイジー(Crazy)」と続く。
ここまでの流れだけでも、深みのある上質なR&Bをしっかりと咀嚼し、デュオならではのバランスとヘイリー兄弟それぞれが持つ味がしっかりと窺える。
もちろん、ソウル・バラードだけではなく、ヒップホップ・サイドの楽曲でも、その味を感じさせてくれる。
“チキチキ・ビート”のティンバランドによる「ゲーム・フェイス(Game Face)」、2パックとの擬似共演となる「サグン・ユー・サグン・ミー(Thug N U Thug N Me)」では抜群のコンビネーションを魅せるなど、アップでもそのヴォーカル・センスが遺憾なく発揮されている。
本作のトピックとして強く挙げられるのが、ベイビーフェイスが手掛け、バック・コーラスにも参加している「オール・ザ・シングス・アイ・シュドゥ・ハヴ・ノウン(All The Things I Should Have Known)」。ベイビーフェイスらしいスムースで繊細ながらも親しみやすいメロディとコーラスに、丁寧に歌い上げるJoJoのハイ・テナーとソウルフルなK-Ciの情熱的なヴォーカルが映える珠玉の傑作だ。
もう一つのトピックといえば、「スイサイド-スリップ・アンド・フォール(Suicide)」。表向きは「スイサイド」1曲となっているが、その後にゴースト・トラックとして「スリップ・アンド・フォール」が組み込まれている。
「スイサイド」では、マーティ・ウィルソンなるヘイリー・ファミリーのシンガーをフィーチャー。JoJoとはまた違った、コクを感じさせるヴォーカルで、ヘイリー・ファミリー3人による抜群のコーラス・ワークを魅せつけるミディアム・バラードだ。
後半の「スリップ・アンド・フォール」は、ジョデシィ名義の新録曲。制作は盟友ディヴァンテと、まさに“ジョデシィは終わっていない”とアピールするのに絶好の楽曲となっている。ここではヘイリー兄弟、というよりも、ジョデシィ・マナーをしっかりと踏襲した濃密で精緻なソウルを奏でている。
本編ラストとなる「Ooh Yeah」は、彼らを敵対視しdisしている連中に、“ジョデシィがデビューしてから10年、お前らは俺たちの模倣をしているだけだろう”と通告する強烈なアンサー・ソング。“オレ(=JoJo)の小さな娘もこの曲に参加させてる”と、ヘイリー・ファミリーの牙城は崩れやしないさとでもいいたげな、力強いヴォーカルが光っている。
ヘイリー兄弟のデュオ・バランスはいまさら改めていうこともないが、確実に振幅を広げたヴォーカリゼーションをみせてくれている。欲を言えば、もう1、2曲トピックとなるアップがあればとは思うが、しっとりと飽きることなく聴ける作品だ。
ジャケットは、ちょっとチープな気もするけれども。(苦笑)