堯之さんとJulieの対談のつづき
<井上>
その時研二がバンドを組んでいるのを知って。
タイガースが初めて
日劇のウエスタンカーニバルに出てきたときに、
舞台のそででかまやつさんと「こいつらいいなアー」って
いったのを今でもおぼえているけど。
あの時本当は得意じゃないものを
こなしていくパワーみたいなものがあったね。
俺よく例にだすんだけど、会社に就職して新人社員になって、
俺はこの部が好きじゃないといったところが、
そこへ配置されちゃった時に、出世などということより、
仕事をこなしていくといった、基本的なパワーみたいな、
そこに魅力を感じてたのね。
だから、今でもとても恐い人だし、あの当時から俺は恐かったね。
年のことをいうと研二は怒るんだけど。
年なんて自慢することじゃないって。
35になってきたら
俺だってそれなりのことをやりたいって人情があるじゃない。
ステージでこうしたい、あーしたいとか。
その時でもやっぱりやる度に目の当たりに、見ちゃうのは、
「こいつ凄いなアー」しかないのよね。
こんなこというのいやなんだけど、本人前にして(笑)
よそから見れば俺は身内だから、
こっちがしゃべればしゃべるほどゴマすりみたいになっちゃうし。
一番恐ろしいなアーと思うのは、お客さんがいつも入っている、
一つの現象でいえばね、これは恐ろしいことだよ。
それが何かということは、俺なんか一緒にやってて、
我に帰らされるという恐い人だし、
こういうのもいいんじゃないかっていう
半端なことで悩むのをやめようとこっちが思うもの。
井上バンドをやってこられるというのも、
研二がいたからだし。
そんな中でも人間て欲ばりだから、悩むわけだよ。