毎回足を運ぶたび 子供の遊んでる姿もなく ひっそりとした小さな公園
春を感じる季節なので オトナで賑わって
写真仲間たちの集団が椿などパチリして
しばらくベンチに座って ぼ~っと ブランコやすべり台をながめて
しばらくして ようやく 公園ひとりじめの時間になって
ボクここに居るって存在感でこっちを向いて
ボクになった椿 ふたつのブランコが気になって
前髪まっすぐに切りそろえて半ズボンはいた少年のころを想いうかべ
じさまとよばれた無口な少年とかつらとよばれた幼い妹とふたり並んでブランコに座って
苔むした老木の桜みつめたり
桜の花びらごしに 青い空と白い雲をみつめたり
そんなコドモ時代もあったけなんて
遠い昔の自分をみつめ
真上に見える桜の花びらごしの青い空と白い雲を
すべり台から降りて
苔むした ななめポーズした老木の桜をしみじみ みつめて
椿になったボクはよくとおるいい声で
童話の中では ケンジという銀色の光となってステージへ
この散歩の数時間後 銀色の光は 大阪のドラマシティーで 漫画家を演じて
翌日には マイクなしで 劇場の後ろまで聴こえる よくとおるいい声で
スタンディングオベーションで鳴り止まない拍手と声援に 「 ありがとうございました!」って
童話の中のむっつりな少年はブランコに座って
妹にペンペン草の鳴る理由をいっしょうけんめい説明して
季節は春だから きっと桜もながめたのかなぁって
桜が咲いてる公園で童話「むっつりケンの歌」の世界にひたって
銀色の雫が似合うケンジと呼ばれる歌い手の懐かしい時間さんぽして
京都さんぽの締めをして
哲学の道へ戻って 疎水の向こう側の道てくてくして
青い空と白い雲 桜色とタクシーの春色の風景みつめて 京都駅行のバスに乗って