♪夢見る時間が過ぎたら♪

歌人生60周年もうすぐの「沢田研二」のページをめくりながら
今と昔を紡ぎながら

伊集院静さんが綴った「沢田研二」③

2023年11月25日 13時54分18秒 | 沢田研二

伊集院静さんが初めてJULIEを見たのは六本木のバー

 

21 CDs COLLECTON OF KENJI SAWADAより

 

♡♡♡♡♡♡♡

 

濡れた背中

 

沢田研二を初めて見たのは、

冬の冷たい雨が降る、深夜の六本木のバーの片隅だった。

 

なんの気なしに見つめたカウンターに

2人の男が酒を飲んでいた。

奇妙な雰囲気がそこにはただよっていた。

 

こちらからは、男たちの背中しか見えないのだけど、

そこだけが違った色彩をしていた。

「何なのだろう・・・・・」

 

私はぼんやりその男の背中を見ていた

やや斜目にした肩と少し猫背の格好が

力味のない酒を飲んでいるようで

「酒場に似合ういい背中だな」

と私は思いながら、また目がとまった。

 

男の背中が濡れていた。

外は雨から雪に変わったのだろうか

ふとそんな思いがした。

 

そのとき一瞬、見えた横顔で、男が沢田研二とわかった。

 

「そうか、彼が・・・・・」

いい背中をしている男に逢ったと思った。

 

♡♡♡♡♡♡♡

 

 

二日前の国際フォーラムのステージで

JULIEが背中を魅せたのは

虎の着ぐるみに中洲流の法被姿

ゆっくり回転して

長法被からのぞく虎の尻尾がゆれていたっけ

 

まだまだ一生懸命ツアーPart1のときは

じゃんぷする背中も魅せてくれたり

 

JULIEの背中に

あれこれ言葉が思い浮かぶ派だから

その瞬間に思い浮かんだ言葉は

そっと心にしまったっけ

 


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