SMITH&WESSONの特別モデルのフランド"PerformanceCenter"。
この名前をGun誌で初めて見たときにはシューティングマッチカスタム専用ブランドと思ってましたが、その後色んなモデルか出るのを見て誤りだと気づきました。
そんなPCブランドにはリボルバも多く、変わり種なモデルも見受けられます。
センチニアルシリーズはJフレームのハンマーレスモデルとして今もカタログに載っており、今では.357Magも撃てる強化版もあり、人気のあるシリーズだと思います。
そんなセンチニアルに9mmパラを撃てる940があります。
なんでオートの弾薬を?と思いますが、カートリッジによっては.38SPLよりインパクトがあったり、メインで使うオートと同じ弾薬を使えるので何かと便利だとかの理由は思い浮かびますが、だからといってわざわざ開発するほどの需要あるのかいな?と思います。
米国市場でも1991年に発表して1998年に販売終了しているので、あまり売れなかったのではないでしょうか。
そんなちょっと変わった940にPCは目を付けます。
S&W社の有力な販売店であるLew Horton社(現在は活動終了)では限定販売のPCブランドのモデルを販売していました。
LH社では複数のPCブランドのコンプ付リボルバを販売していて、1993年には642のコンプ付モデルであるPC642が発売されました。
このコンプ付センチニアルの評判が良かったのが、その翌年の1994年に同じくコンプ付センチニアルのPC940が発売されました。
しかし、いくらお得意様のリクエストでも二番煎じじゃPCブランドに傷が付く、なんてことをS&W社が思ったかは分かりませんが、PC940にはその年に発売されたカートリッジ、.356TSWが採用されました。
.356TSWはIPSCのパワー規格をパスする強化版9mmパラ弾です。
ケースサイズが9mm×19の9mmパラに比べて、.356TSWは9mm×21.5 という若干のケース延長ですが、エネルギーは.40S&Wを超える見かけによらぬハイパワーカートリッジです。
せっかく発売した新型カートリッジを普及させたい、という思いと、カートリッジの外形寸法は9mmパラと同じなので、940にそのまま使えるじゃん!(何らかの銃本体の強度アップ対策はあったのかも)という思いがあったのかもです。
その後、IPSCのパワー規制が改定されて.356TSWはマッチで使えなくなり、使用する銃も増えず現在は販売終了となっています。
銃もカートリッジも販売終了で多分プレミア価格が付いているであろうPC940が今回の題材です。
ベースはタナカの442モデルガンで、製作はあじゃさんにお願いしました。
外観の目立つところはコンプの新造と、カートリッジが.38splから.356TSW(のダミカはないので9mmパラで代用)を使用するためにフルムーングリップを新造してもらいました。
バレルはコンプ部分を作って接着ではなくコンプ付バレルを3Dプリンタで製作されています。
シリンダは分かりづらいかもしれませんが、ハーフムーンクリップ装着のためのスペースが後部に取られ、シリンダが少し前進した形になっています!
製作をお願いするときに「面倒な割に地味な加工なんで、あじゃさんのやりやすいアレンジでお任せしよう」と考えて(という名のぶん投げw)いましたが、ここらへんも抜かりなく再現されているのは流石あじゃブランドです。
9mmパラ用のフルムーングリップも3Dプリンタでの製作です。
タナカがセンチニアルのシルバーを出せば売れるのに…と思っていた推測はあじゃさんのシルバー塗装で確信に変わりました。
ここのところM19の4インチと2.5インチのVer.3モデルガンを立て続けに発売するところを見ると、タナカもリボルバのモデルガンのことを忘れてはいなかったようです。
しかし既製品の焼き直しではなく、来年には新製品にチャレンジしていただきたいですね。
私みたいにモデルガンのリボルバを喜んで買う層がいるうちに新製品を出したほうが売れますよ。
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