中国成都市で開催されているシャンチー(象棋)のグローバルペアトーナメントは、9月12日、最終第7ラウンドが行われ、所司和晴・陳麗淳(中国)ペアが優勝を飾りました。(見出し画像は成都武侯祠にある諸葛孔明像)
◆第7ラウンドの結果
所司和晴・陳麗淳2-0王天一・葛拉迪雪夫(Dmitry Gladyshev、ロシア)
井上奈智・阮明日光0-2唐思楠・利普里安斯基(Ivan Liplianski、ベラルーシ)
所司ペアは4勝3和と不敗でこのトーナメントを終えました。
井上ペアも奮戦しましたが1勝4敗2和でした。
陳麗淳選手は特級国際大師、2007年アジア個人選手権優勝、2017年中国女子選手権優勝等の実績を持ち、中国でのレイティングランキングは唐丹に次ぐ2位の選手です。
世界選手権優勝経験者、中国の国内レイティング上位者らと、世界選手権ノンチャイニーズ・ノンベトナミーズ(NC/NV)の部で実績のある国・地域から選抜されたプレーヤー、それぞれ16人ずつがペアになって戦うこのトーナメントですが、上位グループの中に中国の女子レイティング上位者ら4名が選抜されたのが今年の特徴でした。
世界選手権男子優勝者8人(王天一、鄭惟桐、許銀川、洪智、趙鑫鑫、蒋川、趙国栄、謝靖)をそろえた豪華メンバーとのペアに較べ、女子選手とのペアチームは力が劣るのではないかともいわれていましたが、所司・陳ペアはその下馬評を見事に覆しました。
所司・陳ペアは翌日の対戦相手が決まると、今トーナメントでの棋譜を調べ、入念な対策を練って対局に臨みました。これは当初、所司選手から申し入れをして陳選手がそれに応えたものですが、最後には陳選手が翌日の対戦相手の布局を詳細に調べてきて、こちらの対応について「こうしたらどうか」(ときにはこうすべきだと強く)提案してくれるようになりました。
こうした中国選手の姿勢には、世界にシャンチーを普及させるだけでなく、NC/NV全体の底上げを図ろうという、中国シャンチー協会の考えが反映されています。「グローバルペア」開催の狙いはまさにそこにあります。そして所司・陳ペアは、その開催の意図を最もよく体現したペアであったといえるでしょう。
井上・グエンペアも、当初グエン選手が中国語も英語もできないと聞いて暗澹としましたが、お互いに積極的にコミュニケーションを図って試合に臨んでいました。
日本シャンチー協会としても、昨年、田中篤・蒋川ペアが9位、所司・曹岩磊(マカオ)ペアが13位に沈んだ反省を踏まえて、8月に日本初のペアシャンチートーナメントを開催するなど、周到な準備を重ねました。バトンリレーの練習を重ねた日本の男子陸上チームではありませんが、その成果がてきめんに表れました。
入賞者は次のとおり。
優勝:陳麗淳(中国)・所司和晴
2位:許銀川(中国)・伊万(Iwan Setiawan、インドネシア)
3位:鄭惟桐(中国)・嘉涵(Kayrel Nielhan Bin Awang、東マレーシア)
4位:洪智(中国)・基沙納(Krishna Sankirtan、タイ)
5位:薛涵第(ドイツ)・佐々木雄希(マレーシア)
6位:梁姸婷(中国)・邱亮(Chamnan aheng、カンボジア)
7位:謝靖(中国)・呉松月(Lucas Gitter、ドイツ)
8位:趙鑫鑫(中国)・鄧明高(Mikko Tornqvist、フィンランド)
阮明日光(Nguyen Minh Nhat Quang、ベトナム)・井上奈智ペアは13位でした。
全体の順位・棋譜はシャンチーデータベースサイト『東萍ネット』に上がっています。
順位
http://www.dpxq.com/hldcg/rank_6215.html
棋譜
http://www.dpxq.com/hldcg/movelist_6215.html
表の右端の【譜】をクリック
本ブログに応援のコメントを寄せてくださった皆さんに厚く御礼を申し上げます。
井上・グエンペアも最後まで奮戦
あくまで所司選手の対局が気になる趙国栄先生(自分の対局はそっちのけ!?)
陳麗淳選手略歴
ついに日本選手が優勝の表彰台に立った。陳選手、所司選手、おめでとう!そして、ありがとう!
◆第7ラウンドの結果
所司和晴・陳麗淳2-0王天一・葛拉迪雪夫(Dmitry Gladyshev、ロシア)
井上奈智・阮明日光0-2唐思楠・利普里安斯基(Ivan Liplianski、ベラルーシ)
所司ペアは4勝3和と不敗でこのトーナメントを終えました。
井上ペアも奮戦しましたが1勝4敗2和でした。
陳麗淳選手は特級国際大師、2007年アジア個人選手権優勝、2017年中国女子選手権優勝等の実績を持ち、中国でのレイティングランキングは唐丹に次ぐ2位の選手です。
世界選手権優勝経験者、中国の国内レイティング上位者らと、世界選手権ノンチャイニーズ・ノンベトナミーズ(NC/NV)の部で実績のある国・地域から選抜されたプレーヤー、それぞれ16人ずつがペアになって戦うこのトーナメントですが、上位グループの中に中国の女子レイティング上位者ら4名が選抜されたのが今年の特徴でした。
世界選手権男子優勝者8人(王天一、鄭惟桐、許銀川、洪智、趙鑫鑫、蒋川、趙国栄、謝靖)をそろえた豪華メンバーとのペアに較べ、女子選手とのペアチームは力が劣るのではないかともいわれていましたが、所司・陳ペアはその下馬評を見事に覆しました。
所司・陳ペアは翌日の対戦相手が決まると、今トーナメントでの棋譜を調べ、入念な対策を練って対局に臨みました。これは当初、所司選手から申し入れをして陳選手がそれに応えたものですが、最後には陳選手が翌日の対戦相手の布局を詳細に調べてきて、こちらの対応について「こうしたらどうか」(ときにはこうすべきだと強く)提案してくれるようになりました。
こうした中国選手の姿勢には、世界にシャンチーを普及させるだけでなく、NC/NV全体の底上げを図ろうという、中国シャンチー協会の考えが反映されています。「グローバルペア」開催の狙いはまさにそこにあります。そして所司・陳ペアは、その開催の意図を最もよく体現したペアであったといえるでしょう。
井上・グエンペアも、当初グエン選手が中国語も英語もできないと聞いて暗澹としましたが、お互いに積極的にコミュニケーションを図って試合に臨んでいました。
日本シャンチー協会としても、昨年、田中篤・蒋川ペアが9位、所司・曹岩磊(マカオ)ペアが13位に沈んだ反省を踏まえて、8月に日本初のペアシャンチートーナメントを開催するなど、周到な準備を重ねました。バトンリレーの練習を重ねた日本の男子陸上チームではありませんが、その成果がてきめんに表れました。
入賞者は次のとおり。
優勝:陳麗淳(中国)・所司和晴
2位:許銀川(中国)・伊万(Iwan Setiawan、インドネシア)
3位:鄭惟桐(中国)・嘉涵(Kayrel Nielhan Bin Awang、東マレーシア)
4位:洪智(中国)・基沙納(Krishna Sankirtan、タイ)
5位:薛涵第(ドイツ)・佐々木雄希(マレーシア)
6位:梁姸婷(中国)・邱亮(Chamnan aheng、カンボジア)
7位:謝靖(中国)・呉松月(Lucas Gitter、ドイツ)
8位:趙鑫鑫(中国)・鄧明高(Mikko Tornqvist、フィンランド)
阮明日光(Nguyen Minh Nhat Quang、ベトナム)・井上奈智ペアは13位でした。
全体の順位・棋譜はシャンチーデータベースサイト『東萍ネット』に上がっています。
順位
http://www.dpxq.com/hldcg/rank_6215.html
棋譜
http://www.dpxq.com/hldcg/movelist_6215.html
表の右端の【譜】をクリック
本ブログに応援のコメントを寄せてくださった皆さんに厚く御礼を申し上げます。
井上・グエンペアも最後まで奮戦
あくまで所司選手の対局が気になる趙国栄先生(自分の対局はそっちのけ!?)
陳麗淳選手略歴
ついに日本選手が優勝の表彰台に立った。陳選手、所司選手、おめでとう!そして、ありがとう!
本当におめでとうございます❗️
所司先生、井上さん、長い試合お疲れ様でした。二人とも、世界トップレベルの選手からいっぱい勉強したと思います。この経験で日本シャンチーのレベルアップに貢献するように!
井上さん、お疲れ様です
帰国したらまた一緒に勉強しましょう
試合のお話しも色々きけるのを楽しみにしております
日本シャンチー協会の会員として光栄です。ありがとうございます。
去年は成都に着くまでが大変でしたが、無事の帰国をお祈りしております。
井上さん、初のペア戦お疲れ様でした!!!
素晴らしい経験をされたことと思います。