シャンチー基本図書紹介(1)
1980年代以降、中国ではシャンチー(中国象棋)関連の図書が大量に発行されるようになりました。
日本では、以前は内山書店に入荷するものを待つしかなかったのですが、最近はネット書店の新着情報を見て注文できるようになりました。
ネット書店「書虫」http://www.frelax.com/
第1回は入門書の紹介です。その多くはコマの動きから始まって、開局・中局・残局を網羅しているのがほとんどですが、それぞれどの分野に重点を置くかによって違いがあります。
ここに掲げた以外にも優れた入門書はありますが、『シャンチー(中国将棋)入門』を除き、「書虫」の目録で検索できるものだけを採り上げました。
注文は『書虫』または内山書店(tel03-3294-0671)へ。
◆図解象棋入門 秦原・徐堅 人民体育 1999.9
著者・秦原は、中国の元チェスチャンピオン・徐家亮(元人民体育出版社主任編集員)の筆名。各分野の基礎知識がバランスよく配置されている。特に「開局陥穽」に1章を割き、開局段階で初心者が陥りやすいワナを紹介しているのが特徴。
◆象棋入門(修訂本) 劉国斌・徐家亮・韓寛 成都時代 2011.5
「象棋基礎知識叢書」の1冊で、初版は1990年出版。よくバランスが取れた入門書だが、中局の戦術に多くのページを割いているのが特徴。成都時代出版社は「全国唯一専業棋牌出版社」をうたい文句にする出版社で、以前は蜀蓉棋芸出版社と称していた。
◆怎様下象棋 汪霞萍・尤国耀・鄭希文 江蘇科学技術 2012.6
初版は1999年。著者・汪霞萍は特級大師・徐天紅の夫人で1988年中国女子全国個人戦2位。95年から南京市で青少年の指導に当たっており、その実践経験に基づいて執筆されたのが本書。実用残局に多くのページを割いているのが特徴。
怎様下象棋
◆小学生象棋課本(上・下) 徐家亮主編 人民体育 2002.7
この本は、2001年に中国教育部と国家体育総局が連名で各省教委・体育局宛に「学校において囲碁・チェス・シャンチーの三項棋類活動を展開することについての通知」を発したことを受けて、小学校の教室で使用することを目的として編集されたものである。
◆教孩子学象棋(初級班・提高班) 同編写組 北京体育大学 2008.1
学生向けに編集された入門書で、2冊合計で500題余りの練習問題が付いているのが特徴。「初級班」は日本シャンチー協会の「トップアスリート育成プログラム」2010年の指定教材。
◆象棋詞典 屠景明・楊柏偉 上海文化 2009.4
入門書ではないが、シャンチーに関する術語1335が収められており、術語の定義を知りたいときに便利。主要な開局法や実用残局も収録。1986年に『中国象棋詞典』の名で発刊された本の改訂版で、著者・屠景明氏は改訂版の発行を見ることなくこの世を去った。
◆シャンチー(中国将棋)入門 所司和晴 河出書房 1996.11
これは日本語の図書。現在品切れで入手困難だが、公共図書館などで借り出すことが可能。著書・所司和晴氏はその後、世界シャンチー選手権ノンチャイニーズ・ノンベトナミーズ部門で3度優勝、世界シャンチー連合会「フェデレーションマスター」の称号を獲得、2013年には全日本チャンピオンとなった。中国の特級大師・趙国栄選手から教えを受け、国際試合も経験した所司氏が著した本書は理論的にもしっかりした内容で、シャンチーの入門書としては国際的にも通用するレベルにある。中華圏の人が日本にこのように優れた入門書があると知ったら驚くだろう。
1980年代以降、中国ではシャンチー(中国象棋)関連の図書が大量に発行されるようになりました。
日本では、以前は内山書店に入荷するものを待つしかなかったのですが、最近はネット書店の新着情報を見て注文できるようになりました。
ネット書店「書虫」http://www.frelax.com/
第1回は入門書の紹介です。その多くはコマの動きから始まって、開局・中局・残局を網羅しているのがほとんどですが、それぞれどの分野に重点を置くかによって違いがあります。
ここに掲げた以外にも優れた入門書はありますが、『シャンチー(中国将棋)入門』を除き、「書虫」の目録で検索できるものだけを採り上げました。
注文は『書虫』または内山書店(tel03-3294-0671)へ。
◆図解象棋入門 秦原・徐堅 人民体育 1999.9
著者・秦原は、中国の元チェスチャンピオン・徐家亮(元人民体育出版社主任編集員)の筆名。各分野の基礎知識がバランスよく配置されている。特に「開局陥穽」に1章を割き、開局段階で初心者が陥りやすいワナを紹介しているのが特徴。
◆象棋入門(修訂本) 劉国斌・徐家亮・韓寛 成都時代 2011.5
「象棋基礎知識叢書」の1冊で、初版は1990年出版。よくバランスが取れた入門書だが、中局の戦術に多くのページを割いているのが特徴。成都時代出版社は「全国唯一専業棋牌出版社」をうたい文句にする出版社で、以前は蜀蓉棋芸出版社と称していた。
◆怎様下象棋 汪霞萍・尤国耀・鄭希文 江蘇科学技術 2012.6
初版は1999年。著者・汪霞萍は特級大師・徐天紅の夫人で1988年中国女子全国個人戦2位。95年から南京市で青少年の指導に当たっており、その実践経験に基づいて執筆されたのが本書。実用残局に多くのページを割いているのが特徴。
怎様下象棋
◆小学生象棋課本(上・下) 徐家亮主編 人民体育 2002.7
この本は、2001年に中国教育部と国家体育総局が連名で各省教委・体育局宛に「学校において囲碁・チェス・シャンチーの三項棋類活動を展開することについての通知」を発したことを受けて、小学校の教室で使用することを目的として編集されたものである。
◆教孩子学象棋(初級班・提高班) 同編写組 北京体育大学 2008.1
学生向けに編集された入門書で、2冊合計で500題余りの練習問題が付いているのが特徴。「初級班」は日本シャンチー協会の「トップアスリート育成プログラム」2010年の指定教材。
◆象棋詞典 屠景明・楊柏偉 上海文化 2009.4
入門書ではないが、シャンチーに関する術語1335が収められており、術語の定義を知りたいときに便利。主要な開局法や実用残局も収録。1986年に『中国象棋詞典』の名で発刊された本の改訂版で、著者・屠景明氏は改訂版の発行を見ることなくこの世を去った。
◆シャンチー(中国将棋)入門 所司和晴 河出書房 1996.11
これは日本語の図書。現在品切れで入手困難だが、公共図書館などで借り出すことが可能。著書・所司和晴氏はその後、世界シャンチー選手権ノンチャイニーズ・ノンベトナミーズ部門で3度優勝、世界シャンチー連合会「フェデレーションマスター」の称号を獲得、2013年には全日本チャンピオンとなった。中国の特級大師・趙国栄選手から教えを受け、国際試合も経験した所司氏が著した本書は理論的にもしっかりした内容で、シャンチーの入門書としては国際的にも通用するレベルにある。中華圏の人が日本にこのように優れた入門書があると知ったら驚くだろう。