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ロールス・ロイスのルネ・ラリーク

ロールス・ロイスのラジエター・グリルにある「フライング・レディ」は、正式名称を「スピリット・オブ・エクスタシー」と言います。これは、ギリシア彫刻の女神「ニケ」に似て後ろに翼を翻えし今にも飛び立たんとするような女性の姿を模したものです。1910年頃、英国貴族ジョン・スコット・モンタギューが愛車のシルバーゴーストを飾るために、友人の彫刻家チャールズ・サイクスに依頼して作られたものです。モデルとなったのは、モンタギューの秘書エレノア・ソーントンという女性でした。ロールス・ロイス社の正式マスコットに決定されたのは、1911年のことでした。しかし、これはあくまでも“マスコット”のため、自分の好むマスコットを装着するユーザーも少なくなかったようです。英国王室でも、公式行事の時のみ専用マスコットを装着し、通常はスピリット・オブ・エクスタシーを装着しているようです。
スピリット・オブ・エクスタシーには、もうひとつ別のモデルが存在します。1934年にサイクスが新たにデザインした“Kneeling”、膝まづいたフライング・レディです。オリジナル・モデルは、右半身が殆んどヌードなので、アラブの王侯貴族から、「女性が人前で肌を見せることは宗教的に許されることではない。しかし優れた芸術作品でもあるし、せめて服を着せ膝まづかせるように」とクレームが付いたことで「ニーリング・バージョン」が作られたのです。ニーリング・バージョンは身分の高い人に敬意を表すためのデザインとなり、現在のエリザベス女王の専用車にもニーリング・バージョンが装着されているようです。
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