「ネコの手も借りたい多忙苦戦格闘日記」オーダー専門店k.nyangoケイドットニャンゴの裏側

名古屋に拠点を持ち持続可能な想いの中で創り続ける”いのうえきょうこ”の
デザイン・イメージの現場

中庭より見上げるとジュリエット

2007-01-16 01:35:51 | 妄想が広がる場所(海外)

 

ストロッツィ宮の中庭からの画像が残っていた。
ヴェッキオ宮にもパッツィ修道院にも、回廊のようなバルコニーが廻っているが
ここは、邸宅規模なので、
まさに、ジュリエットがお付の婆やに、せかされているシーンが浮かんだ。

外の真夏の日差しも別世界に涼やかな、そよ風が揺らいでいた。
音も響いて、集音効果もあるようだ。

ここは、行く予定には入れていなかったが、
その時期、フィレンツェの街角の至る所に
ボッティチェッリの描いたオリーブの王冠を被った女神が貼られていたのだ。
一際大きい、はためく幟に導かれるように入ったら、
ボッティチェッリの企画展だったのだ。

ウフィーツィの所蔵のようだったが、
二時間、並んで待つこともなく”春”や”ヴィーナス”とは、
また違った女神に出逢えたのだ。

メジィチ家の紋章とオリーブと思われる植物に包まれた女神は
甘すぎずに斧を持って精悍でなかなか、立ち去れなかった。

しかし、あの、ひんやりとした、静けさは、石造り独特のような気がする。
この記憶は、そこに揺らめいていた草花も含めた
まるごとでの出逢いであろう。

初めての”ヴィーナス”との出逢いは、まだ、床が板張りで
歩くとミシミシ云って、今のような、防御のガラスもなく、見張りの監視員もなく
空調もなくて、真夏の体育館のようでした。

いくら外で二時間待っても、中に入ると人に邪魔されることもなく
初恋の人に出逢えたような気分で、長い間座っていました。

その時の体感温度と一緒に床の音まで、まるごと、そっくり、引き出しのなかにある。

ものすごく、たくさんの引き出しがなくてもいいけど
簡単に消えていかない、そんな引き出しを増やせるような
そんな出逢いは大切にしたい。

 



 



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