ヘタレのぼくにも

人間チャンスは

どこに転がってるかわからないものである

私の知人…

今でも会えば

その当時の話で盛り上がる

まだ携帯なんて無い時代

駅構内…ずらりと並んだ公衆電話

彼はそこから僕に電話を…

話すうち会話が噛み合わない

どうしたのって？聞くと

隣の電話機の上に紙袋

そこから現金…札束が覗いてる

取ればいいのに

よそのおっさんが持ち去った

それが忘れ主か定かではないが

駅に届ければ謝礼で飲みにも行けたのにと

下世話な僕は当事者でもないのに悔しさ満載

彼は…そういう

火中の栗をひらうような人物では無い

僕のような明日なし今日無し

取り敢えず

1時間先も読めない

人間でない彼を不思議と羨ましく思ったことはない

ヘタレでも味わえない生き方も楽しいものである