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会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

武田への株主提案、注目呼ぶ 取締役の報酬返還条項(日経より)

武田への株主提案、注目呼ぶ 取締役の報酬返還条項 (記事冒頭のみ)

武田薬品工業の株主総会に役員報酬の「クローバック条項」導入を求める株主提案が出ていて、注目されているという記事。

「株主提案は5月29日に開示した招集通知で分かった。武田のOB株主や一部の創業一族でつくる有志団体「武田薬品の将来を考える会」が提案した。具体的には「過去の過大投資の減損損失が出たり、過年度決算の修正が起きたりした場合には報酬額を算定し直し返還または減額させる」といった文言追加などの定款変更を要求している。」

減損処理は不正・誤謬ではないので、過年度訂正と同じに扱っていいのかどうか...。

米国では9割に導入されており、日本でも導入例があるそうです。

「同条項は欧米では金融会社を起点に広がり米アップルも導入する。報酬コンサルタントのペイ・ガバナンスによると、米国では17年時点で製造業の91%が導入。ここ5年間で約20ポイント増えた。日本でも15年にみずほフィナンシャルグループ、16年に日本板硝子、17年にヤマハが導入済みだが数は少ない。野村ホールディングスも導入済みだ。」

専門家や議決権行使助言会社の意見は...

「専門家からは「グローバル企業なら欧米で標準的な同条項を導入しないのは筋が通らない」(琴平綜合法律事務所の渋谷展由弁護士)との指摘がある。市場でもアムンディ・ジャパンの岩永泰典氏が「企業価値の持続的向上のためには導入してしかるべきだ」と話す。

海外株主が参考にするインスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)やグラスルイスなど米助言会社も過去、クローバック条項の導入を推奨している。このため武田の総会では「海外投資家の多くが賛成に回りそう」(株式報酬コンサルタント)との見方もある。」

監査人的には、会社に減損処理や過年度訂正をやってもらいづらくなりそうです。報酬をクローバックされる役員や役員に忖度せざるを得ない経理責任者の反対は強くなるでしょうが、当然、やるべきときにはやってもらわないといけません。(他方、不正や無茶な投資をやるインセンティブを減らす方向に働くでしょうから、訂正や減損のリスクは下がるはず)

株主総会(武田薬品工業)←招集通知など


(招集通知より)(画像クリックで拡大)

このほか、報酬個別開示についての株主提案もなされているようです。

当サイトの関連記事(2017年)(クローバック条項にふれた記事)
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