武田薬品工業のシャイア-社買収に反対する株主グループが、CEOに質問状を送ったという記事。
「武田薬品工業(4502.T)によるアイルランドの製薬大手シャイアー(SHP.L)買収に反対している「武田薬品の将来を考える会」は3日、武田薬のクリストフ・ウェバー社長・CEO(最高経営責任者)に対し、公開質問状を送ったことを明らかにした。10月末までの回答を求めている。」
質問状の内容は...
「質問状は、同会のホームページでも公開する。質問は、1)買収に伴う借入金の返済計画、買収後の1株利益(EPS)の予想、2)収益の基幹である血液製剤の分野で今後苦戦が確実視されるシャイアーの企業価値に65%もの高額なプレミアムを設定した根拠、3)シャイアー買収に関する取締役会議事録と取締役各位の発言内容の開示、4)武田薬の持続的成長にとってシャイアー社買収が唯一の手段かーーー。」
株主としては当然聞きたい事項でしょう。
武田薬品社長へ公開質問状 巨額買収めぐりOBや株主ら(朝日)(記事前半のみ)
「武田は来年1月までに臨時株主総会を開いて買収への株主の同意を取り付ける方針。その前に経営陣の見解を改めてただし、買収への反対を広く株主に呼びかける材料にする狙いで、10月中の回答を求めている。」
シャイアー買収に疑義 OB株主ら公開質問状 武田薬品に(日経)(記事冒頭のみ)
これのことでしょう。
↓
シャイアー社買収案件に関する:臨時株主総会へ向けての公開質問状
例えば、こういうことが書かれています。
「現時点で貴殿が開示した情報といえば、僅かに買収・統合後にEBITDAが3倍になるというもののみです。しかしEBITDAは買収によるマイナス要因を取り込めないという欠点を抱える指標であり、そもそも一般的な会計基準に基づいたものですらないことはご承知の通りです。合計で6兆円にも上る借入を予定していながらその返済計画を示さず、買収計画公表後に1兆円も株式時価総額を下げていながら、買収後の株式の希薄化(約2倍)を前提に配当原資となるEPSの予想もせず、買収可否を判断する材料として開示するのはプラス面だけを拾ったEBITDAのみです。これでは株主に目隠しした状態で議決権行使を要請するようなもので、我が国経済史上最大の買収案件の実体がこれかと思うと情けなさすら覚えるほどです。」
「シャイアー社は、自ら「希少疾患と特殊疾患のリーディングカンパニー」と謳っている通り、同分野の売上高約82億ドル(約9,000億円)はグローバル製薬企業のなかでも最大です。しかし、希少病治療分野のほとんどの製品は過去2年間に行ったM&Aによって取得したもので、今後の成長力と次世代製品を開発するR&D体制についての問題は広く指摘されているところです。」
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